IoT・AIは組織、評価体系の見直しから

IoTと言われている、あらゆる物がインターネットにつながり、集まってきたデータを学習したAIのビジネス活用が急速な勢いで進んでいます。すぐそこまで来ているこの様な世界に向けて企業が生き残る為には、逆に人にフォーカスし、個人のパフォーマンスを最大限に引き出すマネージメントが求められるようになっていくのです。

マイケル・ポーターの論文

マイケル・ポーターは言うまでもない、競争戦略論の大御所ですが、最近の論文で 「IoT 時代の組織マネジメント」について、次のようなことを書かれています。

全社的な視点で情報を分析/活用するための統合型データ部門が必要となる。

先進的な企業では、既にCDO(最高データ/解析責任者)という役割を設置したところもあるようです。

正にこれは企業経営において、情報が持つ価値が益々重要となり、その活用が出来る企業と出来ない企業、情報への追従が早い企業と遅い企業では企業価値、成長に大きな差が生まれることを指摘しているものです。

従来から日本企業が大好きな「見える化」などと言っているレベルではありません。社内外の関連情報を入手し、社外からでもリアルタイムに見れることは当然ですが、その情報を基に分析、活用するためのリアルタイムな会社経営・マネージメント意思決定が可能な体制が競争優位の源泉となりつつあります。

 

情報システムは戦略の一部と言われていたが

これまで、情報システム部門のことをビジネスシステムなどと呼び、ビジネス戦略の一部とみなす考え方が主流でした。ここで言っている情報システムはあくまでビジネスシステム止まりであって、あくまで、BS・PLなどの会計帳簿に反映されるレベルのERPなどの情報を指しているものと思われます。

しかし、上記でマイケル・ポーターが言っているのは、社内外のあらゆる情報であって、それは、生産設備から IoT技術を通してリアルタイムに把握する生産状況や、SNS、ニュースサイトなどの外部ソースの情報を分析した需要予測・需要計画などのあらゆる情報を指しています。

 

情報戦略は情報システム部門ではない

現代の情報戦略のあるべき方向性とは、

従来の情報システム部門が導入・運用していたような、いわゆる情報システムではなく、情報そのものをどう収集・分析し、活用していくか、企業全体の戦略的意思決定に使っていくかを真剣に考えていくこと

だと思います。多くの日本企業の情報システム部門は、SI(システム・インテグレータ)と言われる日本特有のシステム会社にシステム開発を丸投げする、情報システム投資予算の執行部署、購買部門に近いものとなってしまっています。

独自に新しいパッケージソフトの情報を収取・評価していくことすら出来ない会社が殆どではないかと思います。

かと言って導入したシステムの運用を自身でするかと言うと、それも外部に委託しており、ユーザーからの問合せに対する一次窓口位しかやっていないのが通常ではないでしょうか。

このような、外部に丸投げの企業内の情報システム部門には本当に必要な情報戦略を考えることは出来ないでしょう。費用は掛かったとしても、システムコンサルティング会社に情報戦略から考えてもらったほうがまだ良いかも知れません

 

現代の企業経営において情報(≠ システム)を収集、分析して意思決定の土台としていくことは非常に重要な競争上の優位性につながるものと理解すべきです。

意思決定の全てが情報に基づく論理で決められるものではないのは明らかです。一橋経営大学院の楠先生も言われていますが、

戦略的意思決定において論理で説明できる割合はせいぜい20% 位のもので、大部分は経営者の野生の感に頼っている

しかし、野生の感の部分が大きいだけに、逆に論理で説明出来る部分が重要となり、情報に基づく因果論理をとことん突き詰め、そのうえで経営者は最終的に自分の感に基づき意思決定していくのです。

仮に、土台となる因果論理の部分が無くなってしまうと、それは単なるバクチとなってしまうでしょう。

 

従来の組織枠組み、評価、報酬体系から見直す必要がある

日本の労働環境は硬直的すぎるのだと思います。学校時代に優秀だった学生はこぞって大企業に就社し、定年まで勤めて退職金を受け取り悠々自適の老後を送ることが出来る。

殆ど全ての社員が社長・役員、でなければ管理職を目指してゼネラリストになり専門性を無くしていき、定期的な人事異動で専門性を築いていくことが出来ないまま年だけをとっていくような、終身雇用、(年功序列)が日本では長く続きました。

 

高度成長期は経済が成長し、あまり考えなくても経済全体のパイが大きくなるのですから、それに応じてポストも増えていきますので、これはこれで仕組みとして正しかったのだと思います。

しかし、今企業が直面しているのは、こうやって抱え込んできた専門性の乏しい管理思考の大勢の社員をどのように処遇していくか市場が拡大しないためポストは増えないが、新しいことには取り組んでいかなければいけないからです。

流動性が低すぎるのです。その気になれば、IT業界は人材の流動性が高いので、専門技術を持った人材を採用することが可能ですが、その時、現在社内の情報システム部門にいる人間をどうするのか問題です。また、従来からいる社内IT社員と外からスペシャリスト採用した人材との融合は結構難しいようにも思えます。

IoT・AI社会に欠落している人材・スキル

 

1人、2人のスペシャリストを採用しても、実際に手を動かし、考える人はそれまで自分がお金を払って使う相手であったため、下に見てしまいます。そして、技術を持った少数のスペシャリストも次第に管理指向に染まってしまいます

大量にスペシャリストを採用したらどうか、とも思いますが、そこまで思い切ったことを出来る会社も少ないでしょう。

管理職レベルを入れたらどうか、そうすると実際にスペシャリティーがある部下が存在しないわけですから、短期的には外部の人間に頼るしかなく、他のマネージメント層とは壁が出来て部下も付いてこないかも知れません。

結局は全体の評価・報酬体系などから見直し、既存の情報システム部門とは別の、それこそ情報戦略部門をつくるほうが話は早そうに思えます。

DEXCAでは、そのような企業の情報戦略上の悩みに対して、企業の方々と一緒に情報収集し、考え、試行して戦略に落とし込む活動をしています。そして最終的には日本企業のCDOにあたる人材を輩出することを目指しています。

データ戦略立案部門立上げ

 

 

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