RPA・AI ロボットを部下にする

AIやRPA等の最新ツールに仕事を奪われるのではないか、と心配ばかりしている暇はありません。相手はロボットですから戦っても勝ち目はありません。むしろ、RPAやAIを味方につけ、自分の部下として使いこなしていく、この発想の転換が早い社員のみが生き残れるのです。

その辺りの理由や考え方をここではご紹介しています。

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)は、PCで行っている繰り返し業務を自動化することによって、主にホワイトカラー業務の生産性を向上するツールです。日々の業務の効率化を実現できるとは言っても、当然、RPAも万能なわけではありません

RPAに向いている業務

ルールを明確に定義できる繰り返し業務であれば、人間が毎日2時間、3時間かけて行っている作業を、数分~10分程度で済ませることが可能です。ここで重要なのは、RPAロボットが自動化出来るのはルール通りの繰り返し作業だと言う点です。

RPA化する対象業務の選定方法

RPAが使えない業務・限界

逆に言うと、ルールを明確に出来ず、柔軟にその都度人が判断して行っている業務にはRPA使えないのです。

 

将来はAIが柔軟性をもたらす

RPAは上記の通り、ルールを明確に定義出来ない業務フローには使えないのですが、AIがルールに柔軟性をもたらすと期待されています。人が行った過去の業務フロー・手順をAIが学習し、その場に応じた柔軟な処理を実現していくのです。

RPAロボは将来AIの頭脳を持つ

 

なぜ今、RPAが注目されているのか

日本企業のホワイトカラーの業務生産性が低い点は従来から指摘され、先進国中最下位が続いていますが、RPAが日々の業務を効率化出来る「働き方改革」の本命と言われています。

工場の生産性向上には産業用ロボット

1980年代から急速に製造現場に産業用ロボットが普及し、今では日本の生産現場の生産性は世界でもトップクラスではないかと思われます。その高い生産性を支えているのが下のようなFA機器メーカーの産業用ロボットです。

事務所の生産性向上にはRPAロボット

同様のロジックで、

事務所での労働生産性が低いのであれば、自動化しろ。自動化だったらロボットだろう。

と言うわけでRPAロボットが注目され、従来から指摘されている日本のホワイトカラーの労働生産性を劇的に改善できると期待されているのです。

 

ロボットと戦っても勝てない

AIロボットがオフィスに入り込むのは少し先の話、と考えている方も多いかと思います。しかし、RPAはそうでもありません。あなたが知らない間にRPAロボットはすぐそこまで攻めてきています

会社の上層部から指示され、社内の誰かが既に導入を検討している可能性があります。その時にあなたはどう対応するかが重要です。

PC上の単純・繰り返し作業で、AIやRPAと戦ってもまず勝てません。相手はコンピュータの中から出られないとは言ってもやはりロボットなのです。

RPAはExcel周辺の単純作業から

 

あなたが毎日、もしくは週次・月次で残業してやっとこなしている作業を数十・数百分の1の時間で、それも人が居ない間に済ませてしまいます

 

RPAやAIに奪われない仕事もある

AIやRPAなどが融合し、どんなに進化したとしても将来にわたって、恐らく奪われずに人がやり続けるべき付加価値のある仕事と言うものもあります。それは、「C:M:H」と言われる仕事ですが、ここでは本題から外れるので詳細はこちらを参照下さい。

 

RPAロボットを使うスキルを身につけるのが現実的

よく、新しいITシステムの導入などで企業を訪問すると、現場の方で導入に抵抗する方がいます。これは、最もやってはいけない事です。なぜなら、そのITの導入を決定して進めているのは経営者であり、会社の幹部だからです。

いつまでも抵抗していると、会社の方針に沿わない、使いづらい人間となってしまいます。むしろ、積極的に協力し、主導的な立場になれば、その後もその人が居なくなるとシステムが動かなくなる可能性があり、外せなくなります。

そのような、事例を私は多々みてきました。新しいITツールを導入後に、そのITツールを管理・運営する主体として無くてはならない存在となって行った方々です。

そして、相手をよく知れば、それが出来ない事、向いていない事もよく判るようになり、有利なのは明らかです。

 

何ができるか、相手の仕組みをよく知る

RPAの分類

RPAには大きく「開発型」「PC導入型」「クラウド型」の3種類のタイプがあります。

RPAの種類と特徴

何れにしても、コンピュータに向かって人が行っているPC雑務・繰り返し作業を自動化する点では共通しています。そして、その時に必要となるのが、ウインドウや入力フィールドを作業対象としてどの様に認識するかです。

認識の方法

この方法には次の4種類があります。

■ UI認識

コンピュータのUI(ユーザー・インターフェース)、つまり画面に表示されるウインドウを認識します。インターネットエクスプローラやWindows上で動作するようにVB(ビジュアル・ベーシック)などで画面開発されたシステムです。

もしくは、Windowsのファイル・フォルダを管理するエクスプローラーのようなものもUIを認識することが可能です。

■ ファイル認識

こちらは、ExcelやCSV(カンマ区切りファイル)のようなファイルを認識して処理するやり方です。

■ 座標認識

UIを直接認識できないようなアプリケーションや、UIそのものが無い、いわゆるコマンドラインから使うようなアプリケーション、PDFファイルなども認識します。

画面上の座標を認識しているだけですので、ウインドウを位置・大きさが変わってしまうと、入力すべきフィールドの場所が変わってしまいますので、最大化して使う、などルールを決める必要があります。

■ UI認識

最後に画面に表示されている画像を認識し、予め決めておいた画像とのマッチングをする認識方法です。

 

上記の、座標認識画像識別が出来る事であらゆるPC上の作業を自動化可能となります。

Excelマクロ・VBAとの違い

基本的にはどのRPAツールを導入するにしても、上記の4種類の認識方法で対象を認識し、あたかも人が手入力しているように、画面上のその位置に自動で入力し、ボタンを押し実行します。

いわゆる、ExcelマクロのようなものがRPAだと思ってもらって間違いは無いと思います。それが、Excelに閉じた作業だではなく、PC上の他のシステムとの連携が出来る点が大きく違います。

この事で、従来人が手作業であるシステムからコピーし、他のシステムにペーストして実行ボタンを押す、と言った作業の繰り返しを自動化するのです。

RPAはExcel業務の効率化から

 

リストラされずに生き残るために何をすべきか

上記の点を理解できていれば、もうRPAを怖がる必要はありません。それは、RPAは何でも出来るように見えて、向かない作業もあるからです。

  • 定型化して繰り返しに出来ない作業
  • 単純作業ではあるが、作業単位があまりに小さく、繰り返しが少ない
  • 途中で人の判断が入るような作業(RPAに条件分岐ロジックを入れる事は可能ですが、複雑な判断は得意ではありません)
  • 他の社員との調整が入るような作業

などですが、これらの点を踏まえてRPAで実行できる様に、個々のPCで行っている作業を分解・整理し、RPAで実行できるように組み替えていきます。

これこそが、あなたがやるべき業務です。正にRPAを部下として管理し、周囲の未だ単純作業にしがみついている社員の単純作業を自分の部下であるRPAに吸収していくのです。

そしてロボット部下を使いこなすことで、仕事の効率を上げ生産性を向上ていきましょう。このことが正に働き方改革が志向していることであり、それによって、残業しなくても楽に現在以上の成果を生み出していけるのです。

 

 

 

 

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