RPAソフトウエアに関するコスト比較

RPAソフトウエアも大分普及してはきましたが、まだまだRPAの情報や関わる人材が不足していると感じる場面を多く見かけます。ここでは、RPAを純粋に従来と同様のソフトウエアツールとして見た場合に必要となる各種費用を整理し、タイプ毎に必要となる費用の比較をご紹介しています。

RPAに必要な費用とは

RPAライセンス費用

RPAライセンス費用とは、ソフトウエアを使う権利をライセンスとして購入する費用ですが、ソフトウエアライセンスを購入・契約する形態として様々な形態が存在します。

下記にソフトウエアライセンスを購入する形態のイメージを整理しておきます。

◆ パッケージソフト買い切り

昔はパソコンショップや家電量販店などに行って正に箱に入ったパッケージソフトウエアを購入していました。

そして、購入してきたソフトをパソコンにインストールして使っていたのですが、現在ではネット経由でカード支払いを済ませ、ダウンロード・インストールする形が主になっています。

この形態のソフトウエアは比較的安価なものが主で、パソコン作業をちょっと便利にするツールのイメージでしょうか。昔からあるシェアウエアなどもこの形態に似ています。

主に個人が手作りしたPCツールをネット上で共有するサイトからダウンロードして使いますが、その作者に対して数百円~数千円などを支払う場合も多いかと思います。

 

◆ 保守契約込みの買い取り契約

このソフトウエア購入形態は、購入契約当初に纏まった金額を支払い、自社の資産となります。そして、別途ソフトウエア保守契約を結ぶ事がほぼ必須となっており、当初のライセンス契約の決められたパーセンテージ(通常10 ~ 20%程度)を年単位で支払います。

この保守契約によって、ソフトウエアパッチと言われる不具合修正セキュリティー機能追加などに関する更新プログラムを使ったり、バージョンアップの権利を得られたリします。

通常は基幹システムなどの会社にとって重要なシステムのソフトウエアである場合が多いため、セキュリティー上のパッチや法改正に伴うパッチなどを得られないと自社で開発する事となってしまい、ほぼ不可能ですので、この保守契約をすることとなります。

以前のサーバーにインストールして使用するアプリケーションソフトウエアに多かった契約契約形態です。

 

◆ 使用許諾契約

通常は1年などの期間を限定して、そのソフトウエアを使用する権利を購入する形です。通常は、1年などの期間が過ぎても自動契約延長の契約になっていますので、使えなくなる事はありません。

もし、契約期間満了で契約を打ち切りたいような場合は、契約を打ち切る手続きを行う必要があり、その手続きをしなかった場合、通常は初年度と同額で同じ期間の延長契約をした事になります。

特段のソフトウエアライセンス保守に関する別サービスメニューが無い限り保守契約も通常含まれますので、使用中に何か問題があれば、購入元に質問などをする事ができます。

現在のRPAソフトウエアの多くはこの契約形態になっています。

 

◆ クラウド契約

クラウド型は主にSaaSと言われる形態で、RPAソフトウエアを自身のパソコンにインストールするのではなく、サービス提供者の環境・コンピュータ上で動作します。

よって、そのRPAソフトウエアと動かすコンピュータの能力を含めたサービスとして契約しますので、ネットワークが整った環境であれば、改めてRPAロボを動かすPCを準備したりする必要もなくなります。

RPAソフトウエアを自社のPCにインストールして所有もしませんので、合理的とも言えますが、この契約形態の問題は自社の重要なデータを外部のクラウドベンダーに送り、処理結果を受け取ると言う情報セキュリティーの面でしょう。

 

RPA導入プロジェクト費用

RPAソフトウエアを自社のPCやサーバーにインストールする事自体は難しい作業ではありませんので、自社のIT部門で十分可能かと思われます。

どの様なRPA導入体制や方針で進めるかにもよりますが、ここで必要となるタスクは、

  • RPAロボの適用業務(作成順序)を決定する
  • RPAを適用した業務の流れを設計する
  • RPAシナリオを作成する
  • 後々のRPAロボの保守に必要なドキュメント整備

と言ったプロジェクトワークです。能力的には自社内で可能な会社も多いかとは思いますが、当初は自社内にRPAに関するナレッジ・経験もなく自社要員をコア業務に専念させるためにも、外部コンサルタントに依頼される場合が多いかと思います。

 

そして、RPAとはどの様なソフトウエアどの様に動作し、シナリオを設計・開発していけば良いのか直ぐに理解できるかと思いますので、その後は自社でコストを抑えた導入体制を組んでいかれることをお勧めしています。なぜなら、

RPAロボが代替するのは、間接業務を含めた自社のコア業務である場合が多く、外部に依存し続けるのは危険

 

RPA保守・運用コスト

RPAは業務ユーザー部門が主導して導入されることが多くあります。IT部門の方々にはこの保守・運用コストは馴染みがあるかと思いますが、どうも業務部門の方にはあまりイメージがし難いようです。

RPAロボは現在、業務ユーザーが手作業で行っているPCでの繰り返し作業を自動化するロボットですが、ビジネス環境が変化したり、検索していた社外のWeb画面が変更されてしまったりと様々な理由でうまく動作しなくなってしまします。

これまでの自社サーバーにシステムを開発していくような従来のシステム開発では、業務・システムが固まった状態でほぼ変更出来なくする

ことが出来ていて、これが目的の業務改革の凝固剤として使われてきた面もありました。

RPAはこの様に「固められたシステムの間を柔軟に繋ぐソフトウエア」としての位置付けもありますので、柔軟性が求められると言う面も多々あります。

 

そして、このRPAの保守・運用にも内部・外部のコスト(=工数)が発生し、通常言われているのは、RPAシナリオ開発工数の半分位は保守の工数を見込んでおく必要があります。

 

その他のコスト

上記までは通常思いつくRPAのコストかと思いますが、その他にも必要となるコストがあります。

  • RPAロボを動作させるパソコンを準備
  • RPA管理サーバー(サーバー型RPAの場合)

 

RPAソフトウエア一覧

一般的にRPAとして販売されているソフトウエアには大きく以下の3種類があります。RPAソフトウエアとしての機能はほぼ同じだと考えて良いかと思いますが、RPAソフトウエアによっては特殊な機能を持っているものもあります。

 

サーバー型RPA

サーバー型のRPAとは、正に従来から行われている自社でサーバーを購入し、その環境にRPAソフトウエアを導入・設定してRPAシナリオを管理していく方式です。

この形態のRPAソフトは、業務ユーザーのPCでシナリオを作成して、その作成済のシナリオをサーバーに登録する事で、サーバー側でそのRPAシナリオを一元管理する構成になっています。

RPAロボを実際に動かすのは業務ユーザーのコンピュータになりますので、その分RPAを動かすPCも含め多くのコンピュータを準備する必要が発生します。

この様なサーバー型のRPAソフトウエアには主に次の様な製品があります。

  • Automation Anywhere(米Automation Anywhere)
  • Blue Prism(英Blue Prism)
  • Kofax Kapow(米Kofax)
  • NICE RPA(NICE Systems)
  • UiPath(英UiPath)(通常構成)

 

PC導入型RPA

こちらは、従来のパッケージソフトのように業務ユーザーのPCにソフトウエアを導入し、そのPC上でRPAを動かすものです。この形態のソフトウエアには次のような製品が発売されており、業務ユーザ―自身が手軽に自分の日常業務の繰り返し作業を自動化するイメージの製品です。

  • NICE Advanced Process Automation(NICE Systems)PC版
  • NEC Software Robot(NEC)
  • Bizbobo!(RPA Technologies)
  • UiPath(英UiPath)(最小構成)
  • WinActor(NTTデータ)

 

クラウド型RPA

クラウド型のRPAは上記にも書きましたが、サーバーのハードも準備する必要がなくRPAソフトウエア+ハードウエア能力をSaaS(Software as a Service)の形態でサービス契約するものです。

通常のPC導入型RPAのようにユーザーのPCを占有してRPAを動作させる必要もなく、必要な時に元データを送信すれば処理結果が返ってくるため、ネットワークが整っている環境であれば使い易いかと思います。

課題があるとすれば、社内データを完全に外部に出す事になるための情報セキュリティー的なリスクを考慮して、RPA化する対象業務を選定する必要があると言う点でしょう。

  • SyncRoid
  • GeAine
  • cobit(BizteX)

 

RPA種類別のコスト比較

下にRPAソフトウエア形態別の導入初年度における各費用(千円/年)のイメージを下に表としてまとめております。

実際には採用されるRPAソフトウエア依頼されるベンダーなど様々な要素が絡みますので、あくまでパイロット導入の初年度に要する費用のイメージとして見て頂ければと思います。

RPA種類 ライセンス費用 導入費用 保守・運用  その他
サーバー開発型 5,000 ~  30,000~  15,000/年 ~ サーバ・PC数分
PC導入型 1,200 ~ 500 ~  250 ~ PC台数分
クラウド型 1,200 ~  500 ~ 250 ~  ー

 

※ 上記の金額は導入費用のイメージをお伝えする為の弊社の調査に基づく初期PoC導入における参考価格です(単位:千円)。特に全社に導入を進めていく場合、RPAシナリオ作成は内製化されていく事が多く、外部への委託費用は下がっていくのが通常です。

※ ライセンス費用も初期導入の標準的な価格(年額)となっており、RPA実行ロボを増やしていくと相対的にはライセンス価格が下がっていきます。契約にもよりますが、クラウド型以外のRPAソフトウエアは翌年以降も基本的には同額ライセンス費用が発生します。

※ RPAコンサルタントの人月単価を仮に200万円としています。(依頼される会社によって大きく異なる場合があります)

 

RPA導入・運用のアプローチ

下記の通り、使用するRPAソフトウエアのタイプにもよりますが、

サーバー開発型RPAの場合

上記でも明らかな通り、自社でサーバーを購入して従来のシステム開発と同様にサービスしていきますので、ある程度の纏まった繰り返し業務量がある業務を自動化します

その為には、事前に業務部門横断で業務を整理し、例えば、入力対象システム毎、やデータを抽出する対象システム毎にRPAシナリオを整理してRPAを作成していきます。

業務フローを整理し、RPAで自動化

 

業務フローを整理するためには通常コンサルティング会社に依頼したりしますので、その辺りの工数・期間を含めたプロジェクト全体の計画を策定し、IT部門、経営企画部門を当初から巻き込んだ体制を組んだ上でプロジェクトを進めることになります。

全社規模でのプロジェクトを組んで大規模に進めるのですから、どの程度の導入効果を見込むのかなど、ROI(投資対効果)を明確にして予算を策定した上で、出来ればトップ主導で進めることでプロジェクトを成功に導く事が出来ます。

 

PC導入・クラウド型RPAの場合

PC導入型やクラウド型のRPAの場合はサーバー型のRPAに比べて、業務ユーザー部門が主導してユーザー自身の日頃のPC作業を手軽に自動化するイメージです。

RPAソフトウエア自体も難しいものではありませんので、対象のRPAソフトの使い方を知っている人間に半日も教われば基本的なシナリオの作成は出来るようになるかと思います。

 

そして、業務ユーザーが自分の業務の内、日々繰り返し行っているような手作業を自分で自動化します。

もっとも、RPAシナリオの作成がプログラムを記述する必要がないとは言っても、変数の使い方繰り返し処理の記述などの基本的なプログラムの構造フロー制御などの知識・経験によって、習熟度、開発生産性が変わってきますので、その辺のナレッジも含めてプロジェクト当初のパイロット導入時点では外部にプロジェクト支援を依頼されるのも良いかと思います。

また、RPAロボ導入後の保守性を考慮しておく必要もあり、シナリオフローを含めたドキュメントを作成しておく必要もありますので、当初はRPA導入プロジェクトの進め方に精通したコンサルタントに依頼されるほうが安全かも知れません。

プロジェクトを進めていく体制としては業務ユーザー部門が独自に進める形でも当然可能ですが、その後の全社展開を考えて、IT部門や経営企画部門を当初から巻き込んだ体制を組んで進められる事をお勧めしています。

 

 

 

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