リストラされない為に AI と RPA の違い位は知ろう

働き方改革の名の下に、日本のホワイトカラーの生産性の低さが取りざたされリストラの対象とされています。RPAやAIなどのロボットを敵とみなすのではなく、AIやRPA等のツールを使いこなし業務改善に繋げられる人材・スキルこそが生き残る道となります。

手遅れにならないうちにサラリーマンとしての生き残り戦略を考えておくべきです。

リストラされない為に AI や RPA を知っておくべき理由

現在のリストラの流れ

最近、新聞やテレビ、ネットニュースなどを見ていて大規模なリストラのニュースをよく目にします。特に、都市銀行や生損保、証券などの金融業数千人単位のリストラ計画を競うように発表しています。

日本の製造業で規制に守られた業種・業界以外、既に国際競争にさらされて生き残ってきているからです。製造現場は日本の人件費を製品価格に反映していたのでは国政競争力はないでしょうし、人手で生産する必要がある製品の工場は既に人件費が安い海外に出て行っています

 

industrial-robots-production-transition

 

製造現場では1980年代から産業用ロボットが急速に普及し、自動化出来そうなライン加工等は既に産業用ロボットに置き換えられていきました。

流通・小売、物流などは労働集約的ではありますが、元々人件費が低く抑えられ、いわゆるブラック企業と非難されるような企業が多いため、リストラどころか人手不足・採用難の状況です。

やはり、製造・流通・販売などの現場ではなく、事務所で働くホワイトカラーの生産性の低さが問題であり、いよいよオフィースワークへのRPAロボット導入が始まったのです。そして、その最たる業種がこれまで大量に新卒採用してきた銀行、生損保、証券、カード会社などの金融業なのだと思います。

ホワイトカラーはリスクをとる姿勢が必要

 

金融は特に、扱っているのが情報そのものですから、昨今のコンピュータ化や情報通信技術の発展もあり、殆ど人がいらなくなるのです。実際、支店にATMや人を大量に抱えている従来型の銀行や証券よりも、ネット銀行、ネット証券のほうが遥かに効率的で収益性も高くなっています

全ての産業が情報産業になるか、情報を高度に活用できる企業だけが生き残れる

 

リストラしてAI や RPA に置き換えようとしている

そして、それらのリストラを発表している企業が考えていることは、殆ど共通して下記の点です。

殆ど(50%近く)の業務が RPA や AI で代替可能

「自分の仕事は RPA や AI では出来ない」などと言っている人ほど危険です。仮に自分の仕事の内、RPA や AI に出来ない仕事があったとしても同僚の仕事全てがそうであると言い切れるでしょうか

そして、私が経営者だったらこう考えます。

他の人の仕事を含めて業務フローを見直し、 RPA や AI に出来ない仕事のみを優秀な人にやらせよう

 

そうなる前に、相手(≒ RPA や AI)のこと知り、RPA や AI に出来ない仕事を任せられる優秀な人になるしか生き残る道はないのです。

AI と RPA の違い、比較

AIとは

AI(人口知能)と聞くと、最近の新しい技術で難しく感じるかと思いますが、考え方自体は昔からあり2、3度のブームを経て現在に至っています。ではなぜ今またAIブームになっているのか、それはざっくり言うと、コンピュータの計算能力ディープラーニング技術の発展があったためです。

AIの分類

AI、機械学習、人口知能など様々な言葉が使われますが、その分類にも様々な切り口があり、私は下記が判り易いのではないかと思っています。

  • 広義のAI(Machine Learning)
    • クラスタリング・2項分類
    • ニューラルネットワーク
    • サポートベクターマシン
    • 決定木(ディシジョンツリー)

などの従来から統計学の延長として研究されてきた分野です。これらは実際には従来からセンサーやコンピュータの中でモデルとして実装され、使用されています。

  • 狭義のAI(≒ Deep Learning)
    • 画像認識
    • 音声認識
    • 自然言語分析

一般的にAIと言ってイメージされるのはこちら(ディープラーニング)ではないかと思います。簡単に言うとこの様な感じです。

広義のAIにあるニューラルネットワークは人間の脳神経細胞を模した情報伝達の仕組みをコンピュータ上にニューロンとして再現しますが、このニューロンの階層が深く(ディープ)なったものです。

より複雑な多くの情報から共通する特徴を抽出して、同じ特徴を持った(画像、音声、文書など)である確率などを出せる

これによって、上記で挙げた似た物が移っている画像似た音声認識(コグニティブ)したり、分類したり出来るようになります。

 

■ 出来ること、出来ないこと

現時点で言えることは、皆さんが想像される映画のターミネーターのような万能ロボット(一般に強いAI)を作ることは不可能だと思います。特にディープラーニングは向く問題と向かない問題があり、上記のような画像認識、音声認識、自然言語分析などは非常に向いた応用です。

この様な「ディープラーニングに向いた単機能のAIが実現できる」段階で、全ての場合に対応可能なマルチ機能のAIはもう少し先になる。ディープラーニングは階層が増えていくと指数関数的に並列計算量が増加するため、コンピュータの計算能力にも問題がある。

 

■ 現時点での実現性

その意味で、直ぐに皆さんの仕事をAIが奪う可能性は低いと考えられます。大きな技術的なブレークスルーが無い限り少なくとも、4,5年は大丈夫でしょう。とは言っても、日々、世界中の最高の頭脳を数千人単位で集め研究させていますから時間の問題だとも言えます。

特に、RPAと違ってAIは人の判断業務(≒ ホワイトカラーの大部分のコア業務)を将来的に代替できる可能性が高い。それは1人の人の経験・知識を超えて妥当な判断を下せる可能性が高く、間違いから学んで日々賢くなっていける可能性が高いのです。

囲碁や将棋でコンピュータがプロに勝利しているように、今の一手が結果的に勝利にどの程度貢献したか全パターンで重み付けして評価し、一番勝利に結びつく可能性が高い次の手をコンピュータは選択します。これがAIの強化学習と言われる手法です。

当初は間違いが多くても、人の下した判断や過去の大量の事例から学んで急激に賢くなっていく

 

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とはExcelマクロVBAのようなルールベースの繰り返し処理を自動化するツールです。あくまで日々の業務の中でPCで行ってる繰り返し業務の自動化ですから、① ルールが明確、② PC上で完結している、③ 繰り返し処理、がその自動化対象業務となります。

 

■ 向いている業務

元々、業務ユーザーが自身のPCにインストールして、繰り返しPC雑務を自動化するツールですので、PC上の作業であれば基幹システムへの伝票入力、Excel処理、インターネット検索など殆ど可能とも言えますし、その都度考えながら行っている業務であれば殆ど自動化出来ないとも言えます。

やはり、部署単位などある程度の人数の業務フローを整理して繰り返し業務を抽出・切り出してRPAによって自動化することで大きな業務効率化の効果を得られます。

 

■ 向かない業務

いわゆる、「柔らかい業務」はRPAによる自動化、業務効率化には向きません。柔らかい業務とは、このシステムで検索して、画面のこのフィールドに値を入力し、結果をExcelに転記する、など定型化されていない仕事です。

言い方を変えると、ホワイトカラーの本来の業務である次のような仕事です。

  • 将来に向かって考える業務(予算策定、需要・販売計画、生産計画など)
  • 一定の基準が無く、状況に応じて柔軟な判断が要求される業務
  • 将来に向けて付加価値を生み出していくクリエイティブな仕事(デザイン、コピーを考える)

これらの業務はホワイトカラーの主な付加価値業務として本来行うべき業務であり、現在のRPAで代替するには限界があり、ははっきり言って無理です。

 

■ RPA導入費用

RPAにも様々なタイプがあり、導入費用は数十万円~数千万円と様々ですが、業務ユーザーの日々の業務を自動化する目的、特性から考えて各業務ユーザーのPCにインストールするPC導入型(20万円~100万円/年)が向いているかと思います。

費用としては月額2万円程度ですから、正社員の残業代やパートさんにお願いするより遥かに安上りで短期で業務効率化の効果を出せるものです。

 

RPA の先に AI がある

この様にRPAは業務ユーザーの日々の繰り返しPC業務を自動化、効率化するツールですので、クイックに導入して業務効率化の効果を出すのが良いかと思いますが、これをやる事で社内の業務フローが整理され、俗人化していた業務を見えるように出来る点も大きいと思います

それによって、社内のデータの所在、流れが可視化出来るのです。これは非常に重要な点で、私が知る殆どの会社はAIに学習させる十分なデータがありませんので、将来的にAIによる更なる効果を狙った時にその情報が生きてきます。AIに学習させるデータには以下の点を満たしている必要があります。

  • データの発生、所在が明確
  • データをリアルタイムで取得可能(IoT化)
  • データの間の因果論理が明確化出来ている

 

また、RPAとAIを組み合わせる事で日々の業務もルールベースではなく、過去の人の判断・意思決定に沿って柔軟に判断して処理の流れを変えたり、FAQに基づいて結果を返したり出来るようになるものと考えています。

RPA の先に AI があり、RPA と AI は連続的なものでその区別も無くなっていく

 

将来的にRPAがAIの考える能力を包含するように発展することで出来るようになりそうな事をこちらにまとめていますので、参照頂ければご理解してもらえるかと思います。 ⇒

 

RPAとAIの導入価格比較

RPAの導入費用

RPAの導入に関してここで詳しくご説明するのは避けておきますが、RPAには大きく分けて下記の3種類があります。

  • サーバー開発型
  • PC導入型RPA
  • クラウド型RPA

これらそれぞれに得意不得意や、特徴がありますので、その辺りと大まかなライセンス価格導入コスト保守運用コストのイメージをこちらでご紹介していますのでご参照ください。 ⇒

 

AIの導入費用

将来的な方向性も見据えて、AIを実際に業務の中で活用していこうと考えた時に、通常はPoC(コンセプトプルーフ)と言われるコンセプト検証のフェーズを設けます

それは、「AIで出来るのではないか」と言うアイディアが有ったとしても、

  • 実際に業務に適用できる精度が期待できるのか
  • AIに学習させるデータは十分得られるのか(種類・量・タイミング)
  • AIに学習させる為の説明変数や答え(教師有りの場合)のデータ的な因果関係が整理出来るのか

など、様々な点を検証する必要があるからです。かなりの手間を掛けて常日頃からデータを収集・整理されている企業でも、十分なデータが無い場合が殆どなのです。

 

やはり、AI機械学習で何が出来るのかや、その限界のイメージを持った人間を入れて明確なAI取組みテーマや目標設定をした上で、そのAIのアウトプットを出すのに必要な説明変数を計画的に収集していく活動から始める必要があります。

 

下記にPoCを依頼した場合の価格のイメージを参考までに記載しておきます。

  • PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)のイメージ
    • 期間:3~5ヶ月(最低でもこれ位の期間がないとデータ収集すら終わらない可能性が高い)
    • 費用:300万円~ 程度
    • 事前に取組みテーマを絞り込み、合意してから入る場合が多い
  • AIのシステム実装
    • 学習済のAIモデルが出来れば、後はAPI等として通常のシステム開発になる

AIに関する PoCサービス

違いを知った上でリストラされずに生き残る戦略

当然、AI や RPA にも向かない仕事があります。それこそがリストラされずに生き残る為に身に着けるべきスキルです。端的に言うと、

RPA や AI 等のロボットを敵と見なして忌み嫌い、避けるのではなく共生していく

ことにつきます。避けていてもそれらは絶対に近いうちにやってきます。その時、それらのロボットを手なずけ、味方にして使いこなせる人とそうでない人が選別されていくのです。

 

 

 

 

 

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