丸投げITが危険な5つの理由

攻めのITと言われるように、ITは経営戦略を構成する重要な要素となっています。IoT化によって増え続けるビッグデータを分析し、自社のビジネスに活用したり、AIに学習させたりといった自社ビジネスに密接に関わるIT機能を外部に丸投げするのは危険であり、競合優位性を失っていきます

ここでは、その辺りのご説明しています。

IT丸投げは日本特有

私の知る殆どの日本企業のIT部門は、外部のIT会社にシステムの開発・保守などを発注するIT予算管理・執行部門になってしまっています。

経営者の意識としては、ITと言うと投資に見合う経費削減や原価低減、リードタイム短縮などの短期的な投資対効果(数字)が見込めるかどうかしかないようです。

海外企業のように、将来に向けてITを活用した経営戦略などのような、いわゆる攻めのITが出来ている会社は少ないのが現実です。

経費削減効果のほうではなく、IT投資によるプラスの面を考えていく必要がある

費用削減は売上(収入)以上にはありませんが、売上を上げる方向には限界はありません。ほぼ青天井で伸ばせます。

 

対して、アメリカの会社などでは基本的に自社でシステムの導入・運用をする技術者を抱えていますから、自社のビジネス視点でシステム・パッケージの選定をします。

そのため、AI・IoT化など最新テクノロジーに取り組み、得られたデータを自社内で統計解析したり、AIの適用を検討し、将来に向けた方針を考えたりすることが可能なのだと思います。

 

コンピュータ・サイエンス系の学部を卒業したようなIT関連技術者も、一般企業内で自社システムの導入・運用をしている人が人数的には大部分で、日本で言う純粋なSI(システム・インテグレータ)にあたる会社はみあたりません

アメリカでIT会社と言えば自社製品としてのソフトウエアやソリューソン製品を持ち、その販売をする会社のこと

日本企業は直ぐにでもSI(システム・インテグレータ)への丸投げIT開発を止めなければ、本当の意味での戦略的なIT投資が遅れビジネスに直結したデータ分析・活用が出来ない状況で引き離されていく可能性が高いと思われます。

 

今すぐに丸投げITを止めなければ危険な理由

システム開発が目的となってしまう

IT会社に丸投げ委託すると、IT会社としてはその対象は自社のビジネスではなく、あくまで要件はユーザー企業が出すものであって、その要件を満たすシステムを開発し、納入するのが目的化してしまいます

単なる老朽更新や保守切れに伴うシステム更改もあるかとは思いますが、その際もやはり時代の流れやビジネス環境の変化、新しいテクノロジーを取り入れた業務効率化等は取り入れるべきです。

 

委託されたIT会社側は、要件を出すのはユーザー企業側の責任だと思っていますが、今のユーザー企業のIT部門にそのような力は殆どありませんし、業務部門から出された要件を整理することすら出来ない会社が殆どだと思われます。この様な状況では、ビジネス課題を解決できないのは当然です。

業務フローを整理し、RPAで自動化

利益相反している

委託されたシステム会社にとっては正にシステム開発・導入が自社ビジネスであり、そこには当然興味があります。と言うより請負契約であれば、いかに開発コストを減らせるか、準委任契約であれば開発ボリューム(≒売上)を増やすか、となるのは当然のことです。

抑えるべき IT 契約の基本3類型

 

ユーザー企業側は、当然ビジネス的な課題を解決したり、ビジネス目的を達成できるシステムを安く調達したい、と思っていますから、受託する側のシステム会社の立場とは完全に利益相反しています。

 

パブリッククラウドに向かっている

これまでSI(システム・インテグレータ)として成長してきた日系のIT会社は殆どが自社でハードウエア製品、データセンター等の資産を持ち、IT要員を大量に抱えています

これらの会社のビジネスモデルは、どれだけ自社製品・サービスのほうに顧客企業を引き込むかと言う視点で動いています

しかし、時代は大きく変化し、今後ますますクラウド、それもパブリッククラウドの方向へ向かいます自社でハードウエアやデータセンターを所有するのではなく、多くの企業でコンピュータリソースをシェアーし、一般企業はそのコンピュータ能力を借りて使うだけとなってきています。正に時代はシェアリングエコノミーであり、言うまでもなく、世の中はそちらの方向へ動いています。

 

所有する必要がないため、ハードウエア・データセンターの調達リードタイムも、その初期投資も必要なく、契約したら直ぐに使える状態となります

本当に効果があるIT投資であれば、出来るだけ早くその効果を享受するに越したことはない

 

また、実際のところ購入したコンピュータは殆どの時間遊んでいると言っても過言ではありません。日本企業であれば、夜間や休日は殆ど業務していない時間帯でしょうし、通常は必要となるピーク時間帯に合わせてハードウエア能力を設計します。

明らかに無駄が多く、地球の裏側の会社とその能力をシェアーしたほうが効率が良いに決まっています。

そして、その使ったコンピュータ能力の分だけ支払えば良いのです。

 

ベンダー・ロックインを回避する

先にも書きましたが、基本的にIT会社は一般の事業会社の情報システムを丸抱えし、多少金額が高くても運用すら出来ない状況にするビジネスモデルです。

俗に言うベンダー・ロックインと言われる状態ですが、よくあるのは、初期導入費用は赤字でも安く見積り導入し、その後の保守・運用費用で取り返す考えが殆どになります。

IT会社はサービス業として選ぶ

その状態が長く続くと、自社内のIT部門は骨抜き状態となり自社システムの運用も、企画すら出来ない状態となってしまいます。

そして、気付いた時には他のITベンダーに切り替えようにも、自社のシステムがどうなっているのか全く判らず、既存ITベンダーの協力無しには新しいベンダーに移行することは難しく、高いのは知りつつ契約を継続するはめになるのです。

 

IT戦略を相談するパートナーとはなり得ない

その様な状況になって保守・運用で常駐しているような殆どのITベンダー要員は、保守運用を長年続けていますから、新しい技術・ノウハウを獲得する機会も必要もなく、10年もすると陳腐化した技術者となってしまいます

そのような自社に常駐しているようなIT要員に経営に直結したIT戦略、最先端のIT技術の導入などを相談しても無駄なのは明らかです。

ITベンダー選定10のポイント

現代ではITは企業の競争戦略の一部となっている面が多分にあり、それは、最先端の技術や、その応用によって成り立っています。そして、そのような最先端のIT技術・ノウハウを身に着けるには、やはり適度な競争環境の中で苦労して獲得するしかなく、自動的に契約継続されるベンダー・ロックイン状態の顧客常駐の環境からは生まれないのです。

 

 

 

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