昨今のAIブームで仕事を奪われるのではないかと心配している間に、派遣社員はRPAロボに仕事を奪われそうになっています。この様な状況に陥る前に、相手である【RPA】をよく知り、その管理者となれば、それこそなくてはならない人材となる事が出来るのです。
ここではその辺りをご説明しています。
多くの派遣社員がスキル不足に
派遣社員に求められているスキル
現在、派遣社員として働かれている方も多いかと思いますが、その求められるスキルが今後大きく変わってくる可能性が高い事をご存知でしょうか。
事務、経理、人事や品質、購買など、企業内の様々な部署・仕事で派遣社員の方々が活躍されていますが、それらの派遣の仕事で現在求められているスキルは、ある程度共通しています。
資格が必要な仕事など、特殊な派遣職種は別として、国語力(日本語での文書の理解、作成)や英語力、コミュニケーション能力等が一般に言われていますが、その中でパソコン入力の能力を問われることが多くあります。
ここで言っているパソコン入力は原稿や資料、紙の伝票などを渡されて、パソコンに入力するキーパンチャー的な能力を指しているものと思います。多くの場合、国語力や英語力があり、自ら原稿を書いて他部署や顧客と折衝などが出来るレベルは求められていません。
今後、派遣社員に求められるスキルとは
現在、大企業で進んでいることは、「働き方改革」であり、その中身は業務効率化、自動化です。特に、新卒の大量一括採用をしていたような会社程、国際的な競争にさらされ数千人単位のリストラを次々と発表しています。
これまで、派遣社員が担っていた上記のような仕事もRPAロボット等によって自動化され、急激に失われていく可能性が高いと思われます。ただでさえ、上記でリストラされた正社員が新規に派遣社員の市場に参入してくる上にです。
これからの派遣社員は、RPAロボットとうまく付き合う術を身に着ける必要がある
先ずは相手(RPAやAI)をよく知る事
RPAやAIと仕事を奪い合っても勝てる見込みが無いことは明らかですで、競争するのではなく、RPAで出来ない事や不向きな作業を理解し、それらの作業を人間であるあなたが行えばいいのです。
その為にも、先ずは相手をよく知る必要があります。その辺りをご説明しています。 ⇒
大企業で進んでいる雇用改革とは
人手不足はスキルのアンマッチが原因
このところ特に人材不足・採用難がひどくなっている気がします。IT関連職種の有効求人倍率は8倍を常に超えていて、採用をかけてもなかなか応募者も無い状況で、人材紹介会社にも常にお願いしている状況です。
人がいないわけではなく、欲しいスキル・経験の人材がいない
労働力人口が今後激減し、人手不足が深刻化
少子高齢化が今後急激に進み、人生100年と言われている中、企業の定年年齢も伸ばされるのだとは思いますが、それでも、生産年齢人口が今後急激に減っていき、2050年には2015年対比30%減となるのは間違い無さそうで、この状況を踏まえ、
企業(特にブランドのある大企業)は少ない社員で効率的に運営できる業務オペレーションへと急激に進んでいます
この原因は、上記の人材不足・採用難に加え次のような理由が加わっているものと考えられます。
- スキル・経験を持った熟練社員の大量退職で技術伝承が困難になってきている
- 働き方改革やワークライフバランスなど、「長時間労働は悪である」、ブラック企業などとネットで批判される事も多くなり、日本人の労働に対する考え方が変わってきている
- このような批判に対するリスク管理が必要となってきている
- サービス残業をさせられない状況の中、生き残りをかけて業務の効率化を進めるしかない
短期的にはRPAロボットでの業務効率化に向かっている
最近、様々なメディアでも取り上げられる事が多くなっているRPAは、パソコンでの繰り返し入力作業を自動化するツールですが、従来からある Excelマクロのようなものです。
違いは Excel や Word に閉じた自動化ではなく、パソコン上の画面の操作はほぼ全て出来る点で、AIに仕事を奪われるのではないか、と警戒している間にこのRPAが派遣社員の仕事を奪いそうになっています。
パソコン入力作業だけではなく、インターネット検索結果をまとめて集計したり、基幹システムから情報を抽出し、Excelに貼付けて突合したりとパソコン作業であればほぼ自動化出来るのです。
スキル不足となった派遣社員のRPA女子への道
RPAを使いこなすスキルを身につけRPA女子を目指す
RPAは従来 Excel でやっていたマクロ(VBA)に似た繰り返しPC作業の自動化ツールですが、VBAのようにプログラムを書く必要がないため、パソコンさえ使えれば十分使いこなせると思います。
言えば、これまで事務処理を中心に担当していた派遣の仕事に多少VBAなどのプログラミングのスキルがあればRPA女子への道が開けます。しかし、スキルチェンジは早期にチャレンジしたほうが有利なことは明らかです。
今まで10人が手作業で事務処理を行ていれば、それらの手作業は1人か2人で十分となり、単純切り替えし作業はRPAロボットが代替するイメージとなります。その変化は急速に進むと思われます。
このRPAを仕事を奪う敵として関わらないのではなく、RPAを使いこなせる人材(≒RPA女子)となればそのシナリオ作成・保守管理要員として十分生き残れるものと思われます。言うなれば、ロボット部下を管理する管理者の立場です。
AIやRPAロボットと共に働く準備をする
RPAはパソコン上の作業であれば殆どプログラム無しで自動化出来ると言いましたが、実はExcelマクロと同様の問題があります。それは、RPAロボットが増えていくと、どこのPCでどの様なRPAロボットが動いているのか、管理が難しくなってしまう点です。
社員を減らし、業務を自動化していった会社の多くでその様な課題が発生して、業務がブラックボックス化していくのではないかと考えられます。
やはり、その様な状態にならない為にも、従来の業務フローを理解していて、RPAロボットを管理・操作できる人材が必要となるのです。
その先に起きること
RPAでパソコンでの繰り返し作業を自動化していった会社は、ほぼ間違いなくその先でAIによる更なる効率化を進めてくるものと考えられます。違いはRPAがルールに従ってPC作業を繰り返すのに対して、AIはもっと柔軟に人の判断に近い事をしてくれるようになる点です。
例えば、次のような作業(≒ 判断業務 )まで自動化される方向なのです。
- 基幹システムにデータエントリーをしていたら、マスターが足りずにエラーとなった
⇒ 多く存在するエラー処理パターンを認識して適切な後処理を実行する(例外処理)
- 次の手順の画面が毎回変化するため、自動化しずらい
⇒ ネット検索の結果やシステムの画面を画像から柔軟に判断し、後処理したり、推奨処理を実行する(コグニティブ)
そして、ここでも自動化する元の業務フローを理解し、RPAでの処理の流れを理解しているRPAロボットの管理者が必要となるのです。なぜなら、この様な人がいなければ上記のようなAIによる効率化の答えとして、どの様に処理したら良いのかが解らないからです。