RPA ツールの機能と選択のポイント

最近話題のRPAですが、多くの製品が発売され、その選択に迷われる企業担当者の方も多いかと思いますので、RPAツール選択の基準、考え方をご紹介しています。

RPAツールの市場評価はほぼ固まってきています。RPAツールの選定に時間を使うより、RPAは導入方法を間違わなければ確実にROIを出せるソリューションですので、業務効率化の効果を早期に実現することをお勧めしています。

RPAツールの機能比較

RPAツールの種類

現在様々なRPAツールが販売されており、価格も数十万円 ~ 数百万円と大きく差があります。

一口にRPAツールと言っても、下記の導入形態として大きく3種類があります。

  • サーバー開発型:従来のシステム開発に近い形でサーバー開発していきます。
  • PC導入型:ユーザーPCにインストールして使うタイプです。
  • クラウド型:クラウドサービスとして提供されます。

一長一短があるかとは思いますが、サーバー型は大規模にRPAを使う場合であり、PC導入型は小規模に使う場合と考えて頂ければ良いかと思います。クラウド型のRPAは未だ機能的に未成熟な領域ですので、現時点ではお勧めしていません。(安いですが)

 

RPAツール機能の比較

◆ 各PCで実行するRPAシナリオの集中管理機能

機能の違いとしてネットでもよく「野良ロボット」にさせない為に、との記事が多く出されていますが、このロボットの集中管理機能のことを指しており、サーバー開発型RPAはこの機能を持っています。

導入規模にもよると思いますが、大手都市銀のように全社規模で導入プロジェクトを実施し、数百人、数千人の社員の業務フローを再整理してその一部をRPAシナリオとして切り出すのであれば、この機能は重要な機能になるかと思います。

RPAを起爆剤に業務を改革する

 

◆ OCR機能の付帯

また、OCR機能も手書き伝票やFaxでの受注が多いような会社であれば、ある程度考慮する意味はあるかと思いますが、そもそもOCRソフトウエア自体は数十年前からパッケージソフトウエアとして販売されており、その認識精度などはご存知の通りです。

紙に印刷されたものをコンピュータ上のテキスト情報に変換したいのであれば、それらの専用パッケージを別途購入してお好みのRPAツールで自動化したほうが余程柔軟に安価で使えるものと思われます。

 

◆ 得意な自動化対象ソフトの違い

この点に関しては、各RPAツールベンダーの思惑もあり、様々な情報がありますがWeb画面の自動化を起源にしている(BizRoboなど)はExcel、Wordなどのオフィス系ソフトや基幹システムの自動化が不得意(単独では出来す、別ベンダーの連携ツールと組み合わせる必要がある)です。

もしExcelやWordなどのオフィス系ソフトやSAP等の基幹系システムの自動化が目的であれば重要な判断ポイントになるかと思います。

 

◆ 自動での操作記録

この点に関しては判断が分かれるところかと思いますが、一般的にRPAツールと聞いてイメージするのがExcelマクロ(VBA)の様に、人が行たPC操作を自動記録し、再現するものだと思いますので、正にこれがその機能です。 ⇒ 自動記録・再生のイメージ

  • UiPath
  • WinActor

上記のツールはこれが出来るので、この機能が欲しいのでざればこの2つのツールを選択することになります。実際にロボットを作成していく時にこの自動記録機能があると楽なことは確かですが、「プログラムを書くのに慣れているのでそんな機能は要らない」、と言われる方も多いかと思います。

実際、Excelマクロの自動記録もそうですが、自動で記録されたフローを繰返し処理にしたり、条件分岐を入れたり、と手作業で修正しなければ大量データ(作業)の自動化にはなりませんので、全て自動でフローが生成されるわけではありません。

プログラム記述に慣れたSE等にとっては不要な機能であり、これらの自動記録機能付きRPAは素人っぽく好みでは無いかと思います。逆に言うと、この2つのツール以外のRPAツールはほぼプログラムを記述するのに近いイメージで部品や設定値を選択しながらフローを作成していく必要があります。

 

価格の違いはどこから来ているのか

それでは、どこからその価格差が生まれるかです。業界の内幕を明かすようで気が引けますが、はっきり言って下記しか無いものと思われます。

  1. 販売体制の違い
  2. 売れている市場の違い

ソフトウエア自体は、ほぼ開発費(人件費)が全てであり、何枚CDに焼こうが原価はほぼ無視できるので、いくらで売るか価格は販売戦略にのみ依存します。それがソフトウエアであり、売れるのであれば価格はいくらでも良く1円でも開発投資を回収したいのです。

1.販売体制の違い

海外のソフトウエアベンダーであれば日本に現地オフィースを新たに設けるか、販売代理店の契約をしてプロモーションします。

ソフトウエア自体も日本語にローカライズする必要がありますし、ドキュメント類も技術翻訳に出す必要があり、結構な金額になってきます。

そして、販売した以上は問合せ対応などサポートデスクの設置が必要になったりもしますので、その辺りの経費を全部乗せた価格となっていてるのです。

システム会社の置かれている状況

 

2.売れている市場の違い

ソフトを開発して、最初に導入してもらうのは結構大変で、ほぼ無償でも使ってもらえる会社を探す必要があります。そして、最初の導入顧客(ファーストカスタマー)がどの様な会社だったかで、そのソフトの特性が決まります

なぜなら、殆どの場合、最初の導入企業の特性に合わせて機能拡張し最適化するからです。そうでなければ、何もターゲットが無いところで機能を考えていく必要があり、その開発機能が迷走するか、甘い(何処の会社にも十分ではない)機能になってしまいます

そして、そのソフトウエアは最初の顧客が属していた業種・業界に最適化されたものとして公表され、その業界の懐具合の価格設定がなされます。しかし、

RPAはPC業務の自動化・効率化ツールであり、業界の特殊性はほぼ無い

そのため、金融業界は大規模にこのRPAツールを導入している、等とプロモーションされますが、その業界に特有なのは価格程度だと思って良いかと思います。

 

RPA導入費用・コストの比較

RPAに掛かる全体コスト

RPAはロボットとは言ってもあくまでコンピュータの中で動作するソフトウエアのロボットです。従って、通常のシステム開発的な要素もあり、また、ロボット社員としての一面も持っています。

RPAソフトウエアを導入し、業務運用していくには大きく3種類のコストが発生します。

  • RPAソフトウエアライセンス

  • RPA導入プロジェクト費用
  • RPAソフトの保守・運用費用

実際にRPAをツールとして業務の中で活用していく上で、いくら位のコストが発生するのかと言う点に関しての詳細はこちらでご紹介しています。 ⇒

 

詳細なツール比較より先ずは使ってみる

この様な業界の事情で価格は大きく違うRPAツールですが、RPAは従来からある”枯れた技術”を組み合わせてツールとして纏めたソフトウエアです。多少の機能の差はありますが、先ずは触ってみることをお勧めします。

 

また、特に大規模なプロジェクト体制を組んでRPAの導入を進められる場合でなければ、RPAシナリオを作成していく際にどうしても発生する技術的な疑問の解決が早いように、

日本(語)でのサポート体制、日本語ドキュメントの充実

は多少考慮したほうが良いかも知れません。海外の開発元に都度問い合わせて、回答に数日も要するようでは効果も半減してしまいます。

 

 

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