まだ古い会社でリストラを待っているんですか?

日本企業のホワイトカラーの生産性は先進国中最下位が続いており、小手先の生産効率を求めるのではなく人事・評価・報酬体系から根本的に変えていく必要があります。

発展途上国の制度をいつまでも踏襲するのではなく、新しい付加価値を生み出していく発想が必要だと思いますので、その辺をご説明しています。

日本は新陳代謝が悪すぎる

企業の新陳代謝

資金調達面や不動産の高さ、大企業信仰といった国民の意識など日本は極めて起業し難い国です。また、既にその社会的使命を終えているようなゾンビ会社を公的資金で救ったりしてしまうため、新しい産業、新規参入が難しくなっています。

市場原理に任せた正常な新陳代謝が阻害されており、なんとか生きながらえている古い体質の大企業に新規参入が阻まれ、新しいテクノロジーやビジネスモデルで世界を席巻するようなベンチャー企業が日本からは出難いのです。

働く人の新陳代謝

その様な本来なら淘汰されるべき古い大企業が大量に優秀な社員を抱え込んでいるため、新しい産業に人が供給されず非常に人の新陳代謝も悪いのが特徴です。本来であれば優秀ま人ほど新しい産業、企業で力を発揮したほうが本人も充実感があり、多くの収入も見込めるはずなのです。

優秀な人の定義

これまで優秀とされてきた人達

小学校、中学校から高校、大学と偏差値で評価され、偏差値が高い順に本人の意思・指向に関係なく上から東京大学、京都大学、もしくは早稲田、慶応などに進学します。そして、就職する時も大学や専攻で基本的には上位校から一流とされる大企業に就職していくのです。

結論から先に言うと、先進国に学び、追い付く立場であった時代はこれで正しかったのだと思います。西欧の書物から技術など様々な事を学び正確に模倣するのが近道だったからです。

 

これからの優秀な人の定義

日本の学校教育は指示された事を忠実に実行する、兵隊を育てる教育だったのです。しかし、日本は既に先進国になり、いわゆる発展途上国ではない以上、マネする相手もいませんし、後追いでマネしても今の原価高の日本では競争力は有りません

日本でこれまで優秀とされてきた人達の優秀の定義を時代に合わせて変更する必要がある

新しいことを発想し、実現に向けて進めていける実行力がある人が求められている

優秀な兵隊になる教育で優秀だった人が新しい発想が出来るとは限りません

 

ホワイトカラーの生産性が先進国中最下位であり続ける理由

会社に入ると官僚主義

その様な教育を受け、学生時代に優秀だった人の多くは会社に入ると官僚主義的になります。元々、決められた事を忠実に実行する、管理する能力が高い人々ですから、精緻に部下を管理し、失敗しないように進める事は大の得意です。

そして、元々新しい発想など得意ではないので奇抜な新しい事(≒ リスクのある事)には一切手を出さず、やれば出来ると判ってる事、決して失敗しない事だけをやっていこうとします。

正に官僚主義的です。本当の官僚はそれで良いのです。お役所が税金でリスクのある事をやるのはいけません。結果責任を本人達がとるわけでは無く、納税者である私達に帰ってくるからです。

 

減点評価

官僚主義になると、評価としては減点評価となります。官僚は元々利益を追求する仕事では無いので、どんなに頑張ってもプラス(利益)はないですし、余程でない限り加点は無いのです。

結果的に減点主義(= 失敗しない)となりますが、これをビジネスの世界でやると

新しいチャレンジをして失敗し減点される位なら、何もしないほうが良い

となってしまいます。無難に部下の仕事の進捗管理や他部署との調整だけをやっていれば良いのですからこんなに楽な仕事はありません。無論、管理だけをやっていますから生産的な活動ではなく明らかに販管費が増加します。

 

ことなかれ主義

言い方を変えれば、「和を重んじる」とでも言うのでしょうか。元々一生同じ会社にいようと思っていますから、ずっと付き合っていかなければいけないのです。こう考えると、何か問題があっても波風立てず、真っ向から反対する事はしません

嫌われたくない、人間関係でギクシャクするのは面倒だ、となるのも当然

こうして、いろいろな事が当たり障りの無い、角のとれた丸い戦略、戦術となっていきます

 

内部活動が増えていく

その様な管理職が何もしていないわけではありません。元々優秀な人々ですから、物の本などに書いてある事を理解し、そのままやるのは得意です。そして、管理手法などを持ち込んでは社内でやろうとします

表立って反対しない、合議制で進んでいますから反対する人もなく、無駄な内部活動(= 販管費)だけが増えていくのです。

 

官僚主義社会で昇進出来る人

この様な官僚主義的な会社で昇進していけるのは、無難にそつなく失敗せずにいる人ですから、その様な人ばかりが昇進し会社の上層部になっていきます儲かるような新しいビジネスの発想をしたり、リスクをとって新規事業や買収を仕掛けるような事はとても出来ないでしょう

この様な会社の管理職は、社内の他部署との調整役や部下の仕事のスケジュール・進捗管理、人事・労務管理などは非常にうまくこなせるものと思われます。

 

リスクをとる姿勢が必要

様々なメディア報道などで日本のホワイトカラーの生産性が先進国中最下位が続いていると言われています。最近発生している大企業の不祥事や、経営破綻など、その殆どの根本原因は下記に行きつくのではないかと考えています。

責任を取らない(無責任)、リスクを採らない

当然です。そのような人材を大量に新卒採用し、外の世界を知らないまま管理職、役員に登用しているのですから。

 

リスクをとってチャレンジした人を評価する制度

やはり失敗する可能性があっても、リスクをとり積極的に新しい事にチャレンジする人を評価する人事・評価制度が必要なのだと思います。そして、1度や2度の失敗委で再起不能にするのではなく、再度チャレンジさせる

減点評価ではなく、加点評価に切り替えていく必要があります。そうでないと会社全体が守りの姿勢となりジリ貧となるのは目に見えています。

シリコンバレーのベンチャーキャピタルは、アントレプレナー(起業家)を何回の失敗を経験したかで見るそうです。失敗経験は落とし穴をどれだけ知っているかであり、その失敗経験が生かせていれば成功の可能性が上がると考える

そうです。

 

 

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