RPA導入ROIを明確にする

RPAは導入・運用の仕方を間違わなければ確実にROIを向上できるソリューションです。RPA導入の進め方や実際に先行導入された企業の事例とその効果の詳細は、こちらにご紹介しています。 ⇒

 

ここでは導入後の運用費用も含めて、これからRPA導入を企画・予算化されようとされている企業の経営企画やIT企画の方々向けに、どの程度のROIを見込めるのか、会社によってその額なども違ってきますので、その算定方法をご説明しております。

RPA導入プロジェクト期間

RPAロボットの導入プロジェクトは通常、3カ月程度で初期導入し、稼働しています。プロジェクトの進め方や導入範囲など下記のようなステップで進めるのが通常です。

RPA導入の事前準備

通常、RPAロボの導入意思決定を含めて、事前準備に2~6ヵ月程度は事前準備期間を設けられています。

但し、RPAは明らかに導入効果を出せて、そのROI(投資対効果)を明確に算定できるソリューションですので、いたずらに意思決定・導入開始を遅らせる意味は全くない。

また、RPA導入を出来るITベンダー、コンサルティング会社も活況で要員を調達できない状況となていますので、意思決定したとしても直ぐにプロジェクトを開始出来ない可能性も高くなっています。

 

 

RPA初期導入(パイロット導入)

RPAロボットの初期導入は限定的な業務範囲に対して導入し、RPAの自動化効果を実感出来るかと思います。進め方にもよりますが、通常は6ヵ月以内で最初のロボットを稼働可能ですが、パイロット導入の対象業務をどこにするかの選定が最も重要です。

このパイロット導入は、以降の全社展開を含めたRPA導入効果を算定する意味あいも大きいため、単にRPAロボットを作成・実行するのみではなく、パイロット導入であっても、効果の算定を計画的に進めます

 

全社展開

全社展開に要する期間は会社の規模などにより様々ですが、時間をかけ過ぎないこともポイントとしてあります。

全社展開になると影響も大きく、慎重になるのも理解できますが、RPAの場合はその導入効果も明らかですし、会社変革は一気に進めるのが基本です。変革する以上は社内の多くの部署に影響がおよび、多少の課題で反対勢力が力を持ってきたりもします。

痛みを伴う企業変革は一気に進める。切れ味の悪い刀は逆に痛みを伴う。

RPAを起爆剤に全体最適・効率化

 

導入費用だけではない、RPAの費用

RPAの導入コスト

RPAロボを導入する場合にかかる費用としては主に「RPAソフトウエアライセンス費用」と「導入プロジェクト費用」が必要となります。

■ RPAライセンス価格

RPAの場合、ライセンス価格はソフトウエアによって大きな差がありますが、RPAソフトの選定方法に関して、こちらでご説明しています。 ⇒

 

 

■ 導入プロジェクト費用

上記のRPAライセンス価格も含めて、導入費用をこちらでご説明しています。 ⇒

 

社内コスト

RPAロボの導入に限った事ではありませんが、社内プロジェクトを実施する場合に社内コストを入れられていないケースを多く見ます。確かに社員は常時雇用しており、固定費ではあります。

しかし、本来はRPA導入プロジェクトを担当していなければ、通常業務として付加価値のある業務を担当しているはずの社員ですから、その内部原価をプロジェクト費用として計上します。

これが不要だとすると、そもそもその社員はいなくても良いことになってしまいますし、プロジェクトを担当するために出来なくなった通常業務の為に派遣社員を雇用するなどの対応が必要となっているはずです。

 

RPAの運用費用

RPAロボ導入後の運用費用も考えておく必要があります。いくら業務を自動化するとは言ってもメンテナンスが不要な訳ではありませんし、運用を外注するのであればその費用を見積もっておきます。

一般的にサーバー型のシステム開発工数イメージを100とすると、RPAの導入工数はその1/10程度の工数イメージとなります。そして、サーバー型のシステム運用を導入工数の1/5の20とすると、RPAロボの場合、導入工数の1/2程度の運用工数が必要となってきます。

RPA開発工数*0.5*内部原価単価

を年間のRPA保守・運用必要と見ておきましょう。

 

当然、外部にその運用を外部に委託するのであれば、外部委託の単価としますが、RPAの場合は導入・開発もその後の運用も外部に丸投げするのは危険ですので、その委託範囲をよく検討します。運用においては下記のような範囲の外注を勧めしています。

  • RPAロボの作成(仕様は社員が考える)
  • RPAロボに関する問合せ対応
  • RPAサーバーの保守・運用

 

RPAロボの外部丸投げが危険な理由など、こちらにご説明しています。 ⇒

 

RPAロボのROIを明確化する

RPA予算化の為の費用試算

RPAロボの導入費用に関しては、上記を参考に算定して頂ければ良いかと思います。費用の具体的な内容に関してはこちらを参照下さい。 ⇒

 

RPA予算化の為の効果試算

上記のパイロット導入フェーズにおいて、RPAロボの導入効果がどの程度あるのかを試算します。具体的には下記のポイントを考慮します。

  • 対象業務プロセスで、現状どの位の時間を要しているのかを正確に把握・計測しておく
  • 業務時間は自己申告では無く、PCの実行ログなどを使てデジタルで、機械的に計測する
  • RPAロボット化した結果増える業務(時間)もあるため、その時間は追加する

ROIを試算する

簡単に言うと、RPAロボットの導入プロジェクト費用全体をその効果の何年分で投資額を回収出来るのかを計算しますが、忘れがちな費用・効果項目を以下に挙げておきます。

■ 算入を忘れがちな費用

  • 社員のプロジェクト工数(費用)
  • 社員がプロジェクト活動を行う為に追加した派遣社員などの費用
  • RPAロボの保守・運用工数
  • サーバーなどのハードウエア費用

■ 定量効果

RPAロボの定量効果と言うと業務自動化による作業工数の「削減分の工数*内部人件費の単価」ですが、導入効果がRPA導入プロジェクト終了時点で一気に獲得出来る訳ではなく、業務を続けることで徐々に獲得出来る効果です。

よって、通常はその時間的な隔たりを現在価値に割引計算します。その割引率は自社で決めた割引率を使用しますが最近の低金利もあり、割引計算は気にしないケースも多くなっています。

 

■ 定性効果

定量効果は容易にROIとして計算できますが、定性効果は投資対効果として計算することが難しいため、ROIとは別に付加効果として明記します。

  • 業務品質の向上(手入力による転記ミス減など)
  • 業務時間外の作業をRPAに任せられる効果
  • 情報セキュリティー効果

その辺りはこちらで具体的にご説明しています。 ⇒

 

運用移行後のROIポイント

RPAロボの保守・運用に関してROIの視点で見ると、計画していたRPAロボによる自動化効果が実際には未実現になる可能性が挙げられます。原因としては下記のような様々な点に注意が必要です。

  • 例えば社外が提供しているWebシステムの画面構造が変わってしまったり、情報提供がなくなったりする
  • 顧客都合などで、業務プロセスが変更になったり、EDIなどのいわゆるシステム構築が必要となり、RPAロボの効果ではなくなる
  • RPAロボの全てが1体1様でメンテナンス性が極めて悪く、保守・運用工数が嵩んでしまう
  • RPAロボの仕様に関するドキュメント整備が出来ていなかったため、人事異動や退職などの原因でどのRPAロボが何をやっているのか、判らなくなる

 

 

 

関連記事

  1. 派遣社員はRPAの自動化スキルで生き残れ

  2. WinActor (ウィンアクター)シナリオの作り方

  3. RPA はExcelレガシー問題を再発させる?

  4. RPAソフトウエアに関するコスト比較

  5. RPAロボは将来AIの頭脳を持つ

  6. record-windows-operation-and-automate

    WinActor(ウィンアクター)の特徴と評判のポイント

カテゴリー

人気の記事