RPA・AI に向く業務に変革する

RPAの導入では現状業務のまま業務主導でクイックに導入する方法と、将来を見据えてRPAやAIを適用して効率化するのに向いた業務プロセスに変革する考え方があります。

ここでは、人がやる前提で設計された現在の業務プロセスにRPAやAIをあてはめるのではなく、RPAやAIが業務の一部を受け持つ前提で業務プロセスを再設計する場合の考え方、アプローチをご紹介していきます。

繰返し作業はRPAのほうが得意

どうして同じ作業を続けてしまうのか

殆どの会社の社員は、一度慣れた仕事のやり方を変えようとしません。違う仕事、違うやり方をしようとすると、考えなければならないからです。

新しいテクノロジーが次々に開発・進化しているにも関わらず、同じ仕事のやり方を続けてしまうのは、そのほうが【楽】だから

同じ仕事を同じやり方でやっていれば、同じ結果、同じ作業効率になって当然です。大きく変革したい、成功したい、成長したいと考えるのであれば、今までとは違ったこと、違ったやり方をするしかないのです。ダメだと判っているのであれば尚更です。

 

同じ事をやり続けて、違う結果を求めてはいけない。違う結果を求めるのであれば、違うことをやるしかない。

 

考えない人は淘汰される

AI・人口知能の研究は日進月歩で進んでいます。早晩、人間に近い「判断能力」をAIが持つようになると考えられます。その時に人間の仕事として残る【人にしか出来ない仕事・人がやるべき仕事】については、こちらのブログを参照下さい。 ➾

 

同じ作業を繰り返し続ける仕事はRPA・AIなどのロボットのほうが得意

ロボットは今のところ疲れない、文句は言わない、繰り返し単純作業にはピッタリです。夜間・早朝作業も苦にはなりませんし、残業も発生しません。

どんなに小さな身の回りの事でも、仕事の手順でも良いので自分で考えて、改善していけるからこそ人間がやる価値があります

派遣の仕事は早晩 AI・RPAに奪われる

 

過去の固まった仕事はRPAロボットで十分

過去の仕事とは

過去の仕事とは、過去に実際に起きた事実を整理し、記録していく仕事です。その事実の「発生」は既に過去の事となってしまっていますので、基本的には変える事が出来ません。

財務・税務処理などの法律で決められ、やらなければならない特別な仕事は別として、実際に起きた事実を事実として記録していくだけですので、その記録作業自体に然程の価値はありません

 

考える必要はなく、決められたルールに従って正確に記録していくのみです。その法律やルールが難しいため、会計士、税理士や弁護士、弁理士などの職業が比較的高給を得られているのみで、これらの仕事は正にAI向きの仕事です。

AI活用はPoCから

 

過去の仕事で、付加価値があるとすれば、

過去に起きた事実からの反省や見直しを将来に向けてフィールドバックするプロセスに価値がある

 

将来の仕事とは

将来に向けた仕事は過去の仕事対して大きな価値を持ちます。会社で言えば、ポジションが上に行くほど広範囲に影響する、それも将来に向けた仕事をしています。

過去は変えられないが、将来はいくらでも変えられる

ためです。ビジネスの世界は変化のスピードが業種・業態、扱う製品やサービスによって異なっていて、スピードが速い業界ほど先の将来を想像し、戦略を考えていく必要があります。

ちょうど高速道路で車を走らせている時に似ています。速度が速いほど先のほうを見ていないと、路上に落下物があったり、車線変更しようとしている車がある事に気付いて反応出来ないためです。

後ろもミラーで見てはいますが、基本的には前方を向いて運転するはずです。

ビジネスでは将来に向けた方向付け(戦略)、修正行動に価値がある

 

AI・RPAロボで出来る仕事はロボットに任せる

■ 過去の仕事はRPAロボットのほうが得意

過去の仕事は既に実際に起きた事実で、多少の認識の違いや見解の違いはあってとしても「記録」「数値」が確定しています。データを処理するルールも基本的には確定していますので、この様な仕事はRPAロボットが得意です。

この様な過去の仕事はRPAに限らず、早晩、自動化・省力化されていく運命にあります。先に書いた通り、そこに付加価値が殆どないため自社でやる必要もなく外部委託したりもします。

委託を受けている側の会社としては、同じ処理をしていたとしても、それは本業(収益業務)の扱いとなります。

■ 将来の仕事はAIが出来る可能性がある

将来い向けた仕事の内、調査をして将来の市場規模を予測し、自社の取り得る市場ポジション・戦略とその成功する可能性を出したりする仕事などはAIが将来的にやってくれるようになる可能性が十分あります。

これなどはチェスや将棋で勝利するのに似ています。同様に普段人がやっている業務オペレーションのパターンを覚えて例外処理をしたり、先回りして作業の提案をする程度のことは近々にAIが出来そうです。

しかし、最終的に意思決定するのは人間であり、ここに人の価値があります。

結局、人がやるべきは将来に向けた、【考える仕事】、【意思決定】、【感性の部分】

 

同じ業務を集約化する

組織の切り方が業務を効率的に進める切り方ではない

現在の殆ど企業が組織を決定する場合に、意味のある、一連の人が行う仕事の流れを纏めて組織化していると思います。それはそれで論理的であるとは思いますが、今後のRPAやAIなどと協働していく社会を考えたときに、下記のような問題がありそうです。

  1. 人がやる事を前提に、単なる関連雑務も組織内でやる事になっている
  2. これによって、単なる業務処理、作業にもかかわらず、業務が固定化、ブラックボックス化している
  3. 外からは見えないため、特定の社員が抱え込み、「楽」な仕事の既得権益化を招く

この点を考えると、将来に向けたRPA・AIと協働していく事を前提としたスリム、柔軟で、プロセスが透明な組織にしていく必要がありそうです。

 

考える機能だけになった時、単なる作業は纏めればいい

これらの点を考えていくと、社員個々には高度な専門性自分の権限内の意思決定を高速に行える小人数の組織の共同体的な組織になりそうです。

そして、単なる業務処理はAIやRPA等がサポートしながら、出来る部分は自動的に実行され、意思決定が必要な部分は人に確認する、正にAIやRPAなどのロボットと共生する社会が見えてきます。

結局、組織は細分化し、一部の考える仕事をしている人だけで運営し、単なる作業は社内で集約するか、外部委託になる

 

将来に向かって必要な業務を追加する

現在はやっていない仕事の追加もある

将来に向けて付加価値を生み出す為の仕事でも現在はやっていない仕事や、膨大な作業量が発生する為に諦めていた業務を追加していくことが考えられます。

それは、人がやる事を前提に考えてあきらめただけで、RPA・AIロボットがやるのであれば、やるべき事もある

【追加業務の例】

  • 社内、グループ内に複数の独立したシステム間のデータ連携
  • 独立したシステム間のデータ不整合のチェック、修正(顧客データなど)
  • 大量の外部情報に基づく市場調査(インターネット情報、政府機関の情報など)
  • 自社商品の市場実態価格調査を日次で行い、価格・プロモーション施策につなげる

など、いろいろ考えられます。

 

現在価値に割り引く

追加しようとする業務が将来生み出すであろう価値があるかと思います。その将来価値を現在価値を予め決めた割引率で割引き計算して、投資に見合う将来価値があると判断すれば、業務を追加します。

当然、RPAやAIといったロボットが実施する前提ですので、然程大きなコストにはならない事が想定されます。最初は人手で、などと考えてはいけません。その仕事がまた社員の既得権益的な仕事となってしまうからです。

最初から、RPAやAiで実施する前提であり、ロボットだから出来る単純作業の繰り返しとして業務を設計します。

 

AI・RPAロボットを前提とした業務プロセス

結局、現在の業務プロセスにとらわれず、「作業が大変そうだ」、「誰がやるんだ」と言った制約を一旦忘れて、本来やるべき仕事、業務プロセスを考え、設計します。

これらの制約を忘れると、案外、良いアイデアや本来やるべき事が見えてきます。これらの「本来あるべき業務プロセス」をRPAやAIなどを組み入れて行うように設計していく事で、将来に向けたあるべき業務プロセスに変革できるのです。

 

 

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