RPAの目的・メリット【業務効率化以外】

RPAツールの導入目的と言えば、誰もが「業務効率化」を第一の目的に挙げると思います。確かにRPAツールを導入することで日頃の業務を自動化、効率化できる点は大きなメリットですが、RPAの導入目的として「業務品質の向上」も結構大きいのではないかと考えられます。

ここでは、業務効率化」以外のRPAツールを導入する利点、通常のシステム開発・導入であれば導入の目的そのものにしてもおかしくない程のRPA導入による良くなる手をお伝えしていこうと思います。

RPAは業務品質を向上する

RPAは手作業のミスを減らす

RPAは社員の方がパソコンで行っているマニュアル作業を自動化するわけですが、この手作業によるミスを無視できる場合は別として、ミスが重大な問題に発展しかねない場合があります

他社との取引に使うデータであったり、自社内の資料であっても金額の桁が間違えていたり、単位が違っているなどは大きな判断・意思決定の間違いを招く恐れもあり非常に問題です。

現在のRPAは予め決められたルール通りにWindowsパソコンでの処理を正確に繰り返すロボットですので、そのルール・手順が間違えていない限り違った結果になる事がありません。

当然、データを受け渡すような場合は相手方システムでの間違いはそのまま引き継いでしまいますが、そこも含めて間違いなくルール通りに実行するのです。

この様な場合は、当然元のシステムデータを修正する必要があり、RPAでその整合性チェック自体を行う事も可能です。

 

社員の精神的なストレスを軽減する

どうしても決まった時間に手作業でマスターの更新エラーのチェックなどを行う必要があるような場合があります。それは、時差の問題であったり、他社との取引上の問題であったり、システムのバッチ処理の時間の問題だったりします。

例えば、以下のような事は社内でないでしょうか?

  • 海外市場が閉まって、翌日の営業が始まるまでに商品取引単価や為替、在庫情報などを更新する必要がある
  • 外部のECサイトのデータが更新されるタイミングで自社・他社の商品取引価格や在庫などをチェックし、自社システムを更新して、在庫切れの場合は早朝出荷の手配をする必要がある
  • 取引先とのEDI取引データの取込みエラーを早朝に確認して、定時までに手修正しておく必要がある

など

これらは、その時間・タイミングで必ず実施する必要があり、この様な作業を社員が居残ってか、早朝出勤で手作業で対応しているとしたらその社員はもしかしたら寝坊してはいけない、と前日眠れなかったかも知れません

ほんの数分の作業で、業務効率化の視点では大した効果は無いかも知れませんが、当の本人にとってはかなりのストレスです。

半年に一回程度の頻度であれば良いかも知れませんが、頻度によっては社員にとってかなりのストレスであり、この様な手作業こそRPAロボットに任せるべきではないでしょうか。

 

RPAがセキュリティーを強化する

現在、マニュアルで行ているパソコンでの作業のほうがRPAロボよりもセキュリティー的に安全と言い切れる経営者は少ないのではないかと思います。

なぜなら、近年発覚し大きな問題になっている情報漏えいなどの情報セキュリティー関連インシデントの多くは社員や派遣社員、外部委託先の社員などが意図的に情報を持ち出している場合が殆どだからです。

外部に洩れては困る、個人情報や守秘情報は、特別な実行権限を付与したRPAロボが特定のパソコンで実行することで人間が関与しないほうが安全なのは明らかです。

 

テストの品質を向上する

情報システムの開発・導入に係わられたことのある方はご理解頂けるかと思いますが、現在、基幹システムなどの開発・導入を行う際は設計した業務プロセスに沿ったテストシナリオとテストデータを準備し、人が手作業でテストを行います

ここには、この人はこの情報の参照はしていいが、変更操作は出来ないなどの、ユーザーID毎の権限が複雑に絡んでいますので、その権限マトリックス毎に全ての業務パターンをテストする訳ですから、このテストを実施するだけでもかなりの作業量です。

これこそ、予め業務シナリオとテストデータ、権限マトリックスと言うデータが揃えられ、動くべきルール通りにシステムの画面から手入力するのですから正にRPAロボ向きの作業です。そして、更に重要な点が

RPAロボは決められたルール通りに何度でも同じことが出来る。(再現性が高い)

と言うことです。システムを開発中なのですから、当然上手く動かないプログラムも有りますので再テストが必要になり、上手く動かなかった部分に対して全く同じテストを繰り返し出来る事は非常に重要です。

現在はこれを人がやっていますが、単に画面から同じように手入力しているだけの作業を結構高額なシステム要員が実施していたりします。

そして何よりも人が手作業で行うと作業にムラが出てしまうのが問題です。

 

RPAロボによるテスト自動化は、最近のクラウドシステムになって更に重要性が増しているように思います。なぜなら、SaaSベンダーは半年毎など定期的に更新版のプログラムをリリースしますが、そのたびに再テストを求められるのです。

 

社内の透明性を向上する

RPAは業務プロセスを可視化する

これは、言い方が難しいですが、業務プロセスを可視化しないとRPAロボで業務を運用出来ないので、RPAを入れる事で結果的に業務プロセスが可視化されます。

ExcelマクロやノーツDBで業務運用されている会社で、以下のような現象はないでしょうか?

  • Excelファイルをメール添付で送ると、必ず計算式を壊して返してくる人がいる
  • Excelマクロを作った人しかメンテナンス出来ない状況になってしまっている
  • 基幹システムから取り込んだマスターデータが最新化されない、不整合状態
  • 各担当が必要な項目・機能のノーツDBを作っていった結果、どのDBも十分ではなく不整合

この様な問題はExcelレガシー問題と言われており、Excelやノーツが悪い訳ではなく、そもそも業務(フロー)が可視化されていなくても運用出来てしまう作りなのですから仕方がありません。その点RPAは

RPAロボで業務を自動化・運用しようとすると、業務プロセスの可視化が必要となります

 

RPAは記録(ログ)が残る

RPAロボは処理シナリオを実行するときに、「どこのファイルを開いてどこの値を読んで、何処に記入した」と全て実行記録が残ります。

そのため、何か問題があれば後からその記録を見直し、修正を加える事になります。このRPA実行ログではRPA自体の動き見る事が出来ますので、当初設計した以外の例外が発生して上手く動かなかったような場合のRPAシナリオの修正にも役に立ちます。

 

データを収集する

RPA・人の稼働データを収集する

上記のRPA実行ログでRPA自体の動作結果データを収集出来る点はご説明しました。

それでは、人の稼働情報まで収集出来るのかという点ですが、少なくともPCで何時、どのシステムに対してどの様な作業をしたのかとの記録であるPCログを収集できますので、パソコンでの作業であれば人の稼働(作業)データを収集可能です。

当然、会議や移動などパソコンでの作業以外の時間もありますので、社員を監視するわけではありませんが、それらの情報も含めて何等かの手段で情報を収集出来れば、業務を効率化する視点でのヒントは得られるのではないでしょうか。

 

将来のAI化に向けた学習データを収集する

RPAは将来的にAI機械学習の頭脳を持つようになると考えられます。もしくはRPAとAIは融合する、RPAの認識、PC操作機能とAIの考える、予測する機能の相性は結構良いのではないかと思います。

その辺りの話はこちらでご説明しています。 ⇒

RPAロボは将来AIの頭脳を持つ

 

ここではその話ではなく、そもそもAIを普段の業務の中で活用していこうと考えた場合に殆どの会社にはAIの学習に使える十分なデータが無い事が問題なのです。

 

ここにも書きましたが、AIやRPAロボットが普通に仕事の中に入り込んで、AIやRPAが出来る事は任せる前提の業務プロセスにしていく必要があります。

AI・RPAで将来に向けた業務に変革

 

これを実現する為には、通常業務の中で現在は捨てられていたり見過ごされているデータがAIの学習の為に必要になってきます。

上の稼働データのような情報と、同じ場所(社員)の同じタイミングの基幹システムのトランザクションデータや、工場設備の動作ログ出荷指示データやその他多くの同期した情報が必要になります。

本来は、AIを適用する業務とその為に必要な学習データ(セット)の論理・因果に関する仮説をたてて、データ収集の準備をして、PoC(コンセプト検証)をする流れです。

しかし、この流れで一連のPoCを行っていたのでは半年以上の期間を要してしまっていますので、採れるデータはRPAロボが収集・整理しておいて、その中から意味を見出す流れでないと難しいのではないかと考えています。

 

IT投資を軽減する

RPAはシステム間をつなぐ

現在の殆どの会社にはERPやCRM販売管理、MESやスケジューラなど様々な業務システムが存在していますが、その殆どが独立した状態で動いているのが実状ではないでしょうか。

これらの業務システムの間をシステム的につなげば効率が良いと誰もが感じているのですが、技術面や費用的な問題でなかなかそう簡単にはいきません。

  • システム間に手作業の業務が残っている(システムでカバー出来ていない)
  • 情報の属性が違い、直接は繋げない(ERPとCRMの顧客情報など)

CRMとERPは直接つながらない

  • マスターをそれぞれ持っていて発生頻度、必要項目などが違い、クレンジング・名寄せが難しい

など技術・費用的な問題以外に様々な課題がありますが、様は業務プロセスとして繋がっていれば良いのではないかと考えています。

 RPAはシステム間をつなぐ 

 

そして、その一連の業務プロセスをつなぐ役割として、現在人が行っている部分をRPAロボが正確に実施出来れば、ほぼ自動で繋がる業務も多いのではないかと考えられます。

 

パッケージソフトへの追加開発を減らす

現在のシステム開発・導入の多くはパッケージソフトウエアをベースとして、足りない機能や自社の業務に合わない部分をアドオン機能として追加開発するやり方が通常です。

このパッケージの中に追加開発しているような機能の殆どをRPAロボで代替する事が出来るのではないかと考えられます。

 

RPAは運用費用を減らす

通常のシステム開発の工数を100とするとRPAシナリオを開発・導入する工数はイメージ的に1/5の20程度となります。

そして、運用工数も大規模システム開発した場合に比べ、ある程度削減可能で工数にして5位のイメージでしょうか。その辺りをこちらにご紹介していますので参照下さい。 ⇒

RPA導入のROIを明確にする

 

まとめ

ここでは、皆さんがイメージされるRPAツール導入の目的である業務自動化・効率化以外のRPAロボットの導入メリットとして業務品質を向上できる点のご説明をしてきました。

定量的な効果である業務効率化以外の部分に目を向けて、RPAロボで何が出来るか考えて頂ければ自社の中で更にメリットが見つかるのではないかと思います。

 

 

 

 

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