AI・RPAロボと共に働く業務プロセスに変革する

AiやRPAロボットが職場に入ってきて、共に働く社会が間もなく訪れます。この様な業務プロセスへの変革をスピーディーに進め、いち早く業務効率化を成し遂げた会社だけが生き残れると考えるべきです。RPAとの協働プロセスのポイントをご説明しています。

AI・RPAロボットと共生する社会とは

ロボットと共生する社会とは

日本人はロボットと言うと、鉄腕アトムやターミネーターなどのような人型ロボットをイメージしがちですが、Wikipediaによれば、その定義は

ロボットとは、人の代わりに何等かの作業を自律的に行う装置、もしくは機械

とされており、人の形をしていなくてもよく、例えば下の例のように既に私達の身の回りでも多くのロボットが使われています。

  • 工場現場での産業用ロボット
  • 介護現場での介護ロボット
  • お掃除ロボット
  • Googleボット:クローラー

など、人がそれをロボットと意識するかどうかは別として実際には生活の中にも既に書ききれない程のロボットが入ってきています

皆さんはインターネット検索をしている時にページ途中で「私はロボットではありません」とグーグルのぐるぐるが出てくるのを見た事があるでしょう。

あまりに同じ操作を繰り返しているため、ロボットではないかと疑われてしまっている状態です。会員登録が必要なサイトの登録でも「私はロボットではありません」のチェックと画像認識では読みにくいと思われる数字やアルファベットを記入させたりしています。

実際にはロボットと疑われる位に、目に見えない形でロボットは入り込んできています。同じ作業を繰り返すようなことは既に人がやるべき作業ではなく、RPA等のロボットの作業だと見なされているのです。

 

人の作業をロボットが助けてくれたり、先回りして自然に上手く進むようにしてくれている。人が意識する事はない位生活や職場に自然にロボットが溶け込んでいる状態が【ロボットとの共生社会】と言える

 

AI・RPAロボットと協働する事を前提とした時に必要となる視点

それでは、今後ますます加速していくと思われるRPAやAIロボットと共に働く社会に向けて必要となる準備や、業務プロセスを設計する上での視点をお伝えしておきます。

ロボットと共に働く社会は言うまでもなく、人間が中心で人が楽に生活や仕事を進められるようになるでしょう。その為には残業などしなくても、どこにいても短時間の仕事をすれば今以上の生産性・付加価値を生み出せる仕事の仕方にしていく必要があります。

逆説的ですが、この様な業務を設計していこうと思うと、下記が重要になってきます。

AIやRPAロボットに任せられる仕事は最大限ロボットに任せられるように、ロボットが活躍し易い働きやすい環境とする

 

これによって、ロボットが出来ることは最大限ロボットが代替してくれて人は楽になるのです。工場の現場に産業用ロボットが入ってきた当初、工場現場の意見はこんなものが多かったように記憶しています

  • こんな危険なものと一緒には働けない、人にけがをさせたらどうするんだ
  • 教えた通りにしか動けない、こんな融通がきかないのは使えない

しかし、現在ではどうでしょう。よく見る工場の風景はロボットばかりが生産ラインの両側に整然と並んで加工・組立作業が進んでいきます。人が作業する領域とロボットのエリアは完全に区切られ、人でないと出来ない柔軟に多品種部品の組立や例外・手直し作業などをロボット作業の後に人が行ている光景を目にすることも多いかと思います。

現在では、産業用ロボットと共に働く現場はごく当たり前の光景となっています。これによって日本の製造業の生産性は世界トップクラスになったのです。今後、同じ事が日本のオフィスでも起きるのだと思います。

日本のオフィスワークの労働生産性はAI・RPAとの協働作業によって劇的に改善する

 

RPA導入を機に全社改革する

 

RPAロボットと共に働く業務プロセスとは

現状の業務プロセスの問題点

現在の企業の業務プロセスは明らかに、人が行う事を前提とした人が中心の業務設計となっています。この業務プロセスのまま、RPAやAIで出来そうな業務をRPA・AIに置き換える考え方は危険です。

 

RPA・AIに担当させるにはあまりに作業が細切れだったり、人が行う作業の間でその作業を実施しないと、後続の人の作業が滞ってしまったり、RPAに任せる為のデータの前処理を人がExcel手作業で行う必要が発生したりしてしまいます。

現在の多くの会社の業務プロセスは人が中心で、人がどの様に連携して作業をするかに最適化した、人のワークグローが中心

やはり、業務フローをRPA・AIと協働する前提で見直す必要があります。

RPA・AIで業務をつなぐ:ワークフロー自動化

RPAロボット向きの業務フローとは

上記の通り、人がやる前提で組まれた現在の業務プロセスはRPA・AIと協働するには不向きです。では、どのような業務プロセスがRPA・AIロボと共に働くのに向いているかですが、下記のような点を意識して業務設計して頂ければ良いかと思います。

  • データの流れを意識して、同じ流れでまとめる
  • データ間の因果関係を意識して整理する
  • 【誰がやるか】を一旦とりはらう

これを見ると、ロボットが中心なように見えるかも知れませんが、そうではなくロボットが働きやすい環境にすることで、RPA・AIロボに最大限働いてもらいRPAやAIロボに不向きな例外処理や考える、判断する仕事を人がやると言うことです

正にRPA・AIロボとの協働であり、人はこれによって最大限楽を出来るのです。

AIやRPAが自立協調・連携して仕事を進めるデータフロー、ロボットのワークフローにする

 

RPAロボット前提の業務プロセス設計の方法

具体的にどの様にRPA・AIを前提とした業務プロセスを設計していく方法をご説明していきます。

◆ AI・RPAロボット作業の向き不向きを理解する

RPAやAIは万能ではありません。当然ですが、RPAやAIに向く業務と向かないがある事を理解しておく必要があります。

先ずはRPA・AIがどの様なもので、どの様な仕組みで動作するのかを理解しておく事は非常に重要です。これににょって、RPA・AIに任せる業務のイメージを固め、RPAロボに任せる業務の選定がしやすくなります

 

 

◆ RPA・AIロボ用に業務をまとめ直す

上にあげた視点で、業務プロセスを再整理し、まとめ直します。このとき、現在誰が行っている業務なのか、現在の人事組織などは一旦忘れ、データを中心とした業務の流れを整理します。

例えば、あるシステムに対して伝票登録するような手入力作業を複数の部署でバラバラに毎日実施していたりします。確かに入力している値は違うかも知れませんが、作業として見た場合に同じであれば、RPAロボがやる作業としてはまとめられる可能性が高いのです。

もしかすると、会社をまたいでグループ全体でも同様の作業をしている可能性もありますし、もしかしたら逆の活動をしている可能性もあります。

例えば、グループ会社間の取引の場合、グループ会社が購買伝票を手入力し、同じ内容の販売伝票を本社が手入力しているような場合です。正に同じ購買行為に対する裏返しの作業をお互いにしているのです。

法律上は別会社である以上、関連会社側としては購買伝票・会計仕訳を、本社側は販売伝票・会計仕訳を入力する必要がありますが、同時にRPAロボットが入れれば良いのだと思います。会計連結をすれば相殺されるような取引です

 

◆ 対象システム毎にまとめ直す

また、手入力しているような対象のシステム毎に業務を抽出してまとめ直す考え方もあります。この視点で手作業を洗うと、対象データが違うだけで結局は同じ作業が多いことに気付かれると思います。

そして、この様なあるシステムへの入力や検索などのRPAロボットを標準部品化・モジュール化し流用していきます。

 

AIやRPAロボットお互いに連携・協調して業務を進めるにはデータの流れ、因果論理を明確化する

 

こちらに業務プロセスを整理し、RPA化することで大きな導入効果を得ている多くの事例をご紹介しています。 ⇒

RPA導入事例に学ぶ対象業務選定のポイント

RPAによる業務効率化は永遠のテーマ

RPAが担当するのは企業の競争力を左右するコア業務そのものですあり、従来型のシステムに実装出来なかったには理由があるのです。それは、常に柔軟に業務を見直し、改善を続けることで自社の競争優位性を維持・向上していく必要がある業務だからです。

RPAは導入で終わらない、むしろ始まり

 

この変化の激しい時代にシステム開発に何年もかけていても問題にならないシステムとは何でしょうか? それは、その会社の企業競争力とは殆ど関係しないシステムであると言えるのではないでしょうか。

ERPがのような基幹システムが扱う会計データが重要で必ずやらなければいけないことに変わりはありません。しかし、それはどこの会社でも然程違いはないためパッケージソフトとして提供できるとも言えます。

そして、柔軟な対応が必要だったり、変化が激しい業務のためぞの様な基幹システムへの実装が出来ず、結果的に業務ユーザーが手作業を続けている作業を自動化するのがRPAなのですから、必然的に常に改善を続けていこ必要があるのがRPAなのです。

RPA業務効率化は永遠に続く

RPAロボットを前提とした組織体制

ロボットの統制を意識する

RPAやAIのロボットは、産業用ロボットやいわゆる映画に出てくるような人型ロボットとは違い、コンピュータの中で動作するロボットですので、そのロボットを管理するにも以下のような厄介な問題があります。

  • RPAツールの作成権限さえあれば、誰でもRPAロボットを簡単に作成・変更出来るため、無管理に増えてしまう可能性がある
  • 物理的なロボットと違い、存在・動作が見えにくい

この様な統制されていない状態で進むのは、後々問題が大きくなる可能性がありますので、やはり、導入当初からRPAロボットの管理・統制を意識しておく必要があります。

極端な例では、RPAロボットを管理する為の組織を別途設置する企業さえあります。

 

 

RPA業務プロセス全体の外注も有り得る

◆ RPAロボットの運用を外注する

RPAやAIロボットは従来のITシステムと違ったスキル、経験が必要となる面があるため、保守・運用の為の人員・組織を自社で整え、保持する事が負担に感じる会社もあるかと思います。

この様な場合は、RPA・AIロボットの保守・運用管理を専門の業者に外注する手もあります。同時に、社内の業務をRPAロボット化し、自動化範囲を拡大していくタスクを持たせる考え方もあります。

これによって、徐々にRPAロボットの対象業務範囲が拡大し、効率化していきます。

◆ 対象業務を丸ごと外注する

特に経理、人事・総務、営業事務などの間接部門を自社から切り出してBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と言われるサービス業者に外注している企業も多いかと思います。

RPA・AIロボットでの自動化が高度に進んだ業務フローであれば外部に委託する必要もないかとは思いますが、あえて現状の業務のままでBPO業者に外注するやり方もあります。

そして、BPO業者への条件として、対象業務をRPAなど様々な手段で合理化・効率化する前提で、外注費用を年々一定の率で計画的に下げる契約としておきます。

これによって、自社はリスクなく否応なしに対象業務が効率化されていくのです。

 

AI・RPAロボット体制への移行

そして、ロボット体制への移行ですがここで実は重要なポイントがあります。それは、

AI・RPAロボットとの協働プロセスに移行する過程で、業務プロセスを形式知化しロボットと同期してメンテナンスしていく

 

これはある意味当然に思えて、抜ける可能性がある非常に重要な視点だと思います。なぜなら、AI・RPAロボットと協働するプロセスになった後、これらのロボットの管理を外部委託したりすると、現在の日本企業でよくあるIT丸投げ以上に危険だからです。

 

 

ITの丸投げの時は、保守・運用まで外部に依存しビジネス戦略的にITを変えたいと考えても、自社のITシステムがどの様に構成されているのか、どの様に変更すれば良いのか全く自社では解らない。ある意味ITを人質にとられた状態です。

しかし、今回は下手をすると自社の業務プロセス全体を外部ベンダーに握られてしまいます。

間接業務だけならまだ何処の企業でも大差なく、効率的に業務が運営出来ていればBPOなどの外部に丸投げでも良いかも知れません。

しかし、AI・RPAロボットとの協働プロセスは自社の競争優位性を左右するコア業務を含み、AIがそのノウハウを学習していっている

 

と言う点で外部にノウハウを握られてしまう事は非常に危険だと思われます。

やはり、AI・RPAロボットとの協働作業プロセスに変革した後の業務プロセス、及びそれらのロボットの管理ノウハウを自社でおさえ、柔軟に、スピード感を持って改善していける体制を目指す必要があります。

 

 

 

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