顧客マスタの重複・不整合で多くの販売機会を失っている

顧客マスターは重複・不整合が発生しやすく、販売機会ロスの大きな原因となります。この永遠の課題を解決するにはAI・テキストマイニング等の機能を組み込んだ業務全体の仕組みを構築するしか結局無さそうです。

その辺りを、発生の原因・メカニズムからこちらではご説明しています。

顧客情報の未整備で多くの売り逃しが発生する

見込み客、得意先、取引先、顧客企業担当者など様々な言い方がある顧客情報ですが、これらの顧客関連情報支店、営業所レベルで個別に管理され、統合されていないために失っている販売機会ロスがどの程度か考えたことがあるでしょうか?

業界や取引関係などにより、属性・呼び方は様々ですが、必ずしも顧客企業の業務エリア・テリトリーと、自社の営業組織のテリトリーが一致していないのが通常です。

隣の営業所の営業マンと、自分の営業所の営業マンが同じ顧客にアプローチしていたり、同じ担当者に営業に行っているにも関わらず、情報が分断され、同じ予算を取り合うようなことが発生します。

まだ、となりの営業所位のレベルであれば支店会議などで情報共有されたりするのでしょうけど、売る製品やサービス、金額によっては経営層へのアプローチが必須となり、複数の営業組織が同じ企業の同じ役員に対して様々なものを売り込みに行っていることがあります

これらの現象は、単なる組織割りが悪い情報共有がされていない、などの人的・組織論的な課題だけではなく、

システム的な分断、情報・データの重複に起因する部分、言語の問題など多くの問題を含んでいます。

 

顧客情報が重複する仕組み

マーケティング段階

先ず、マーケティング活動などを通し、リードとしてCRMのマーケティング領域に見込み客としてシステム登録されます。

この時点では取引が無いわけですから得られている情報としてはホームページネット等の外部から得られる情報や、展示会営業訪問などで収集した名刺の情報などとなり、メールマガジン送信やダイレクトメールの送付、展示会・セミナーなどへの誘導などナーチャリングのマスターゲットとして扱われます

 

営業段階

その後、営業マンが個別にコンタクトし、情報交換などが行えるようになると、営業案件の見込み客としてSFAと言われる通常はCRMの一部機能に登録されます。

全てのリード顧客が見込み客とはならないのは言うまでも無い事ですが、そもそものマーケティング時点で同一顧客企業・担当者が重複登録されている状態であり、同じ会社の社員であっても、通常はあまり気にせずメールマガジンなどを発信していますので、この時点で複数の見込み客として登録される可能性が多分に有ります

ここで、SFAに見込み客として登録するわけですが、通常ある程度以上の規模の会社は、既に何らかの取引関係がある事が多く、既に見込み客や取引先として登録されているにも関わらず、営業マンがその取引関係を知らないために別の顧客として登録されてしまいます

更に状況を複雑にするのが、営業先の担当者が異動になったり、昇進しただけで別人と扱われる可能性が高いことや、名前のふりがなを全角にするか半角にするか、姓名の間にスペースを入れるか、カタカナで入力するか、英語表記にするかなど、人が見れば判断出来るようなちょっとした違いでもシステム的には別扱いになってしまいます。

 

受注すると

そして、その営業案件がめでたく成約に至ると、ERPなどの会社の基幹システムに取引先として登録されるわけですが、ここでも先に述べたような重複のリスクがあります。

さすがに実際に販売するわけですから、基幹システムに登録する前には、その会社がどの様な会社なのか、販売しても大丈夫な会社なのか与信調査を通常は行うと思いますので、ノーチェックで顧客マスターを登録するわけではありません。

しかし、実際には国が違う、出荷先・請求先が違うなどの理由で別扱いされろことが多くあると思われます。

これらは実業務的には正しいのですが、より多くの取引をまとめる必要がある営業・マーケティングの観点ではどいうでしょうか? やはり、その会社との全ての取引関係、社内情報、過去の提案履歴など全ての情報を知り得るほうが有利に働くことは言うまでもありません。

 

これまでの顧客情報の一元化の取り組み

過去には様々なシステム的なアプローチがあった

前置きが長くなってしまいましたが、これらの顧客関連情報を一元管理しようとする試みがこれまでも何度も繰り返されてきました

MDMと言われる統合マスター管理のシステムでは、顧客マスターを含め全てのマスターを統合的に管理しようとするものですし、名刺管理のツール類にも簡単な顧客データの名寄せを行う機能があったりもします

しかし、なかなかこれと言った決め手が無いのが実際のところなのだと思われます。

 

完全に出来ている会社はない

これが完全に出来ている、と言われる企業は恐らく裏で誰かが膨大な時間と手間をかけて手作業で実現しているか、もしくは外注先のベンダーの方々が同様の作業をしているものと思われます。

通常、CRMやERPを導入するプロジェクトの際に、顧客マスターの名寄せを実施しますが、限られたプロジェクト期間の中でExcelなどを使ってほぼ手作業で実施されていると言うのが実際のところかと思います。

それでも、明らかに同じ顧客マスターはある程度名寄せしてシステムに移行しますし、プロジェクトメンバーが営業マンに聞き込みし、頑張って名寄せする会社もあります。

 

名寄せは永遠に続く

この問題の根深さは、システム改変時などに一度名寄せすれば、未来永劫きれいな状態が続くと言うものではない点です。

Excel手作業で名寄せしている最中にもどこかの営業マンが同じ会社のマスターを登録している可能性があり、新システムの稼働後も常に増え続けていきます。

最近私がご相談を受けて、さんざん考え、試行錯誤して行きついた答えは、「この問題には完全な答えは無い」でした。

 

顧客マスターデータの様々な項目をテキスト分析し、ある種AI的な要素を組み込むプログラムを定期的に流して同じであろうマスターを抽出していくしかない

これは、言うのは簡単なのですが、実際に実現しようとすると、様々な要素があり、完全な名寄せは不可能ですし、仮に同じ顧客を指しているからと言って削除してしまうことが出来ない点も問題です。

なぜなら、システムが分断されていて、そのマスターを参照している多くの過去のトランザクション(取引データ)が有ったり、参照している関連マスターが有ったいするからです。

結果的に現在行きついたのは、定期的なテキストマイニング、AIによる学習判断で同じと判断される顧客マスターの紐付けを管理する方向としています。

 

 

 

 

 

関連記事

  1. RPA・AI ロボットを部下にする

  2. IoT・AIは組織、評価体系の見直しから

  3. 会社にはAIに使えるデータがない

  4. AI・クラウド時代で日本型 SI は終わる

  5. AI活用はPoCから

  6. ネット情報の収集・活用が競争力を左右する

カテゴリー

人気の記事

  1. record-windows-operation-and-automate