現行業務の悩み
その会社(部署)では、数百ある契約先から毎日メールで送られてくるExcel管理シートをMS Access で作成した管理DBに取込み、管理していました。本来であれば Access に取り込んでクエリーを駆使すれば下記のような点は解決するのかも知れません。
しかし、事務所の現場にはクエリーはおろか Access を使いこなせる人などいませんし、システム部もあらゆる場合を考慮した個別のツールを準備できません。結局は派遣社員が数人がかりの人海戦術(目検)で日々のデータチェックを行っていたのです。
- 追加された行や修正された項目を人手でチェック(数万行)
- 必須項目の抜け漏れをチェック
- コメントや追加された列がないか確認
- 正常な行と確認が必要な行を分けて別Excelに転記
- 変更箇所が不用意(意図せず)に変更されたものでないか、明らかにおかしい内容は電話で確認
- 修正後に Access 管理ツールに取込み ⇒ エラーを確認し対応
行数が多いため、目検で行っていたのでは一度手順を間違うと一日かけて行った作業をまた最初から行わなければならなくなってしまっていました。
やはり人手で数万行のデータチェックは無理・ミスが発生してはチェックのやり直しが多発していました
RPAロボットの機能・動き
◆ 基本機能
- 2つのExcelファイル(数万行)の差分を抽出します
- 違いをハイライト(色付け)
- 追加されたと思われる行:オレンジ色
- 内容が違うセル:緑色
- フォーマットは問いません。Excelの限界(1,048,576 行 x 16,384 列)以内
◆ 周辺機能
- メールに添付して決められたアドレスに送信することで、結果がメールで帰ってきます
- 実運用ではデータベースからの抽出、変更行の登録部分もあります(別ロボット)
RPA化の効果
◆ 数人分の作業がRPA化によって10分以下に
- 派遣社員を中心に数名が常時作業していたデータチェックをRPAによって10分以内に
- 人為的なミスが無くなり、人は差異部分の電話確認など、より人間らしいコミュニケーションに専念
◆ データ照合BOTとして汎用サービス化で更に効果
当初は特定の数種類のフォーマットで特定の相手からのメール添付Excelだけに対応していましたが、比較対象のExcelフォーマットを限定せずにExcelの限界(1,048,576 行 x 16,384 列)まで自動フォーマット対応に変更しました。
社内にはこれ(データ照合)業務が実は多々あり、データ量が手作業でなんとかなっていたため問題が表面化していなかっただけだったのです。この事に気付き、データ照合BOTの仕様を汎用化し、今では社員の誰でもメールで総合をRPAに依頼出来るようになっています。
こちらにもその他の事例を業務部門別に整理しています。