医療機器メーカーは多くの規制への対応を要求される

言うまでもなく、医薬品や医療機器は医療現場で使用され品質が命に直結するため、高い品質基準が求められます。CFR(連邦行政規則集)の第21分冊を受け持っているFDAは米国に輸出する海外の医療機器メーカーに対しても820章(QSR)に基づく監査を行い、度重なる警告書(Warning Letter )を受け取れば、米国への輸出が出来なくなるだけではなく、数十億円という制裁金を課されることさえあり得ます。

お金を払って認証してもらう馴れ合いのISO監査とは全く違い、厳格なGMP/MDRへの順守が求められていますので、ITシステムの導入に関しても、それを理解しFDA監査に対応出来るものでなければなりません。

医療機器メーカーにとって品質は戦略

 

特に、CAPA(Corrective Action & Preventive Action)のプロセス、具体的には設計管理とマネージメントに品質の悪さの根本原因がある、との認識が強くなってきています。医療機器メーカーにとって製品設計と製造(工程設計)などのプロセスバリデーションと是正(予防)措置が十分図られるようにITツールを構成する必要があります。

また、ITツールのCSV対応が求められることは言うまでもありませんが、DHR(機器履歴簿)に紐づくDMR(機器原簿)やDHF(設計履歴)などの記録の提示をFDAの監査員から求められた場合、遅滞なく提示できることをも必要です。

通常のFDA監査(長くて4日)の短い期間にFDA監査員は全てに目を通すことが出来ないため、記録の提示を求めます。これに対応できないと監査妨害とみなされることさえあり得るのです。

 

医療機器メーカーのジレンマ

医療機器や医薬品を製造・販売する企業にとって、ITシステムの導入を検討しようとする場合に委託先が非常に限られてしまうという問題があります。ITシステムの開発・導入に関してはまだ大手SI会社に声を掛ければ、同業他社への納入実績の説明をしてくれますが、その依頼先のベンダーをどの様に選定したら良いかが問題なのです。

 

ITベンダーを選定する通常のステップでは、RFPを作成してSI会社に提案を依頼するのですが、医療機器や医薬品製造・販売業では、その特殊性からRFP作成自体を依頼する先が限られてしまうのです。

  • FDA監査・QSR専門コンサルティング会社:当然ISO13485や21CFR820などには精通していますが、ITシステムの知見はなく非常に高額
  • IT戦略コンサルティング:ITツールやIT戦略策定は得意ですが、肝心のQSRを理解していなければ、医療機器メーカのITシステムとして求められるQSRに準拠したITの構想・企画は出来ません
  • ITベンダー:ITを導入するという立場でQSRで求めらえれている基準を理解している人間は存在すると思われますが、そのメンバーを自社の対応にしてもらえるのか、競合に情報が漏れないか心配ですし、そもそも選ばれる立場のITベンダーにRFP策定を依頼したのでは、紐付きになってしまいます

 

間を埋める

弊社では長年の医療機器・医薬品業界の経験・サービス実績を基に、医療機器メーカー様に対して上記の依頼する先がない(穴)を埋めるコンサルティングサービスをリーズナブルな価格でご提供させて頂いております。

◆ 医療機器向けITベンダー選定支援

医療機器を製造・販売する企業様を対象として、ERPその他のITツールを導入するITベンダー選定をご支援させて頂いております。業界特有のCSV対応やPart11などに精通し、経験のあるベンダーを予め選定基準を設定した上で貴社の立場で選定させて頂きます。

 

◆ 医療機器向けRFP策定支援

ITツールを導入していくステップにおいて、RFP作成は最も重要なものです。選定対象となるITベンダーが大手のSI会社で、社内に同様の実績が有ったとしても本当にそのプロジェクトを経験し知識のあるプロジェクトマネージャーやメンバーが入らないのでは全く意味がありません。

その辺りを見極め、自社に最適なソリューション提案を引き出すにはテクニックと経験、そして規制業界特有の知見が重要となります。

 

◆ プロジェクト管理・事務局支援サービス(PMO)

  • 弊社は選定対象となるITツール(ERPなど)の導入を行うことはありません
  • どこのITベンダー(グループ)にも属さず、資本も役員も入らない、中立の立場最善をつくします
  • ERPなどのパッケージ導入の知見を多く持ちます
  • 貴社の立場での業務設計、最適プロセス設計が可能です

 

 

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